2024.7.11

2024.9.12

#ソリューション

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ECサイトで利用されている決済サービスの種類と特徴

ECサイトで利用されている決済サービスの種類と特徴

ECサイトの決済方法には様々な種類がありますが、ECサイトを構築する時には、どういった決済方法を選ぶべきでしょうか?

総務省が2023年5月に発表した「令和4年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」によれば、インターネットを使って商品を購入する際の決済手段は、クレジットカード決済が主流であることがわかります。

しかしその一方で決済手段は多岐にわたっており、クレジットカード決済だけではカバーできないこともわかります。

本記事では、ECサイトで利用されている決済サービスの種類や特徴、それぞれのメリットとデメリット、適切な決済サービスの選び方などについて詳しく解説しています。

「ECサイトのロイヤリティを高めたい」「新たに決済サービスを導入したい」とお考えの方や、「市場的にどの決済方法の需要が高いのか」とリサーチをされている事業者の方は、ぜひご一読ください。

令和4年 通信利用動向調査報告書(世帯編)37P

引用:令和4年 通信利用動向調査報告書(世帯編)37P

ECサイトでよく利用される決済方法の種類と特徴

それでは各決済サービスの特徴を紹介していきます。

いずれの決済方法にもメリットデメリットがありますので、きちんと把握したうえでご検討ください。

クレジットカード決済

クレジットカード決済

クレジットカード決済はECサイトの決済手段としてもっとも普及しており、ECサイト構築の際には必ず導入すべき決済方法です。

一括払いはもちろん、分割払いやリボ払いといった、回数を分けての支払いもできるので、高額商品でもお客様の都合に合わせて支払いが可能になるため、ECサイトにとって販売機会を逃しにくいという点がメリットです。

一方でリスクとして挙げられるのが、カード不正利用による「チャージバック」の発生です。「チャージバック」とは、クレジットカードを保有するお客様が不正使用などの理由により利用代金の支払に同意しない場合に、クレジットカード会社がその代金の売上を取消しすることです。

その結果、販売元である加盟店はクレジットカード会社に利用代金を返金しなければならず、さらに商品も戻ることはないため、損害が発生します。入金がなく商品が戻らない上に、カード会社からの調査に応じたり警察への被害届提出など、労力やコストが必要になることがあります。

メリット:もっとも普及している決済方法であり、販売機会損失のリスクを低減
デメリット:クレジットカードの不正使用によりチャージバックが発生する可能性がある

【具体的な決済サービス】
・Visa
・MasterCard
・JCB
・American Express
・Diners Club International
・Discover など

代金引換(代引き)

代金引換(代引き)

配送業者が商品を引き渡しする際に、お客様が代金を支払う方法です。

クレジットカードを持っていないお客様も商品を購入することができ、オンライン決済に不安のあるお客様が選択される傾向にあります。

また、商品が届いた際に支払うことができるため、初めて購入するECサイトの場合でも、お客様に安心感を提供できます。なお、代金引換は運送会社のサービスを利用する決済方法ですので、手数料が発生します。

事業者が得られるメリットとして挙げられるのは、「代金請求・集金の手間が省ける」と「支払い拒否及び持ち逃げの可能性が低くなる」です。最大のデメリットは、手数料が高い点です。一件につき数百円程度ですが、件数が多くなると当然コストも膨れ上がります。

また宅配業者の中には、現金対応のみの業者も存在します。そのため、お客様は現金を用意しておく必要がありますし、手持ちがない上に宅配業者がクレジットカードに対応していない場合は、再配達をお願いする手間がかかります。

メリット:不払いなどのトラブルを防げる
デメリット:手数料が高くコスト負担が大きくなる

【具体的な決済サービス】
・ヤマト運輸
・佐川急便
・日本郵便
・西濃運輸
・日本通運

後払い決済

後払い決済

お客様が商品を購入して受け取った後、決済事業者から送付された請求書にて、コンビニエンスストアや銀行、郵便局などで代金を支払う決済サービスです。

近年、後払い決済の利用が増加傾向にあるのには、いくつかの理由があります。そのうちの一つとして挙げられるのが、サイバー犯罪の増加です。

インターネット通販で最も利用されるクレジットカード決済は、便利である一方、不正利用の被害額は増加傾向にあるのも事実です。そのため、クレジットカード決済に不安を持つ女性の方や、クレジットカードを持たない若年層の方が多く利用する決済手段となっています。

さらに、商品を確認してから支払いができることも、お客様にとっての大きなメリットになっています。またクレジットカード番号の入力や本人認証のパスワードなどの入力が不要なため、誰でも簡単に決済できることから、事業者にとっても顧客層が拡大し、売上の向上も期待できます。

最大のデメリットは、未回収リスクがあることです。入金のないお客様に督促をしたり、法的措置をとるなど、事務処理コストが必要になる可能性があります。こうした代金未回収のリスクを回避できる「後払い決済サービス」も存在しますが、当然コストがかかります。

メリット:商品に不安があるお客様でも安心して利用できるため販売機会を逃しにくい
デメリット:代金未回収のリスクが発生する

コンビニ決済

コンビニ決済

ECサイトで商品を購入後、お客様のもとへ支払情報が記された「払込票」が届く、もしくは、WEBで表示される「払込用番号」が提供され、お客様がコンビニエンスストアのレジや専用端末で代金を支払う方法です。

インターネットでの決済手段として、クレジットカード決済に次いで利用されている人気の決済手段です。ECサイト運営者にとっては、入金確認後に商品を発送できるため代金未回収のリスクがないというメリットがあります。

また、お客様がコンビニエンスストアで支払いが済むと、リアルタイムで事業者へ入金通知がされるため、払い込み後はスムーズなサービス提供が可能になります。ただし、地方などの場合は自宅や職場の近くにコンビニがないこともあるため、利用可能なお客様が限定されるデメリットがあります。

メリット:代金未回収や商品キャンセルリスクを軽減できる
デメリット:利用可能なお客様が限定されるケースが多い

【具体的な決済サービス】
・セブンイレブン
・ファミリーマート
・ローソン
・ミニストップ
・セイコーマート

キャリア決済

キャリア決済

大手携帯電話キャリアの利用料金と合算して、決済をする方法です。月々の携帯電話料金の請求と合わせて後払いをすることから、特に未成年などクレジットカードを持っていない層に人気の決済サービスです。インターネット上でのカード情報入力を嫌うお客様にもご利用いただけるため、近年利用が拡大しています。

キャリア決済はクレジットカード決済のようにカード番号などを入力せずに、キャリアに登録している4桁の暗証番号を入力するだけで決済が完了するため、カート離脱の軽減も期待できます。正常に決済処理が完了した取引については、各キャリアが商品代金の債権を譲り受けて請求するので、事業者は未払いによる未回収リスクを負うことがなくなります。

ただし、クレジットカード決済に比べると手数料が高くなります。また、デジタルコンテンツなど低価格の商材は相性が良い一方で、利用限度額が存在するため、高額の商材を扱うECサイトには適しているとは言えません。

メリット:若お客様の購入ハードルを下げる
デメリット:クレジットカード決済と比べると手数料が高い

【具体的な決済サービス】
・ソフトバンクまとめて支払い
・d払い(キャリア)
・auかんたん決済

ID決済

ID決済

ECサイトで決済を行う際、お客様がAmazonや楽天、PayPayなどの外部サービスに登録しているIDとパスワードでログインし、決済を完了させるキャッシュレス決済のことです。

事業者にとって最大のメリットと言えるのは、お客様が「購入者情報の入力」をほとんどする必要がないため、カゴ落ちを軽減できることです。

オンラインショッピングに​おける​クレジットカード決済と​ID決済の​大きな​違いは、​入力する​手間です。​多くの​ECサイトでは、​お客様は​クレジットカード情報の​ほかに​氏名や​住所などを​入力する​必要が​ありますが、ID決済なら、​IDや​パスワードの​入力、​もしくは​QRコードの​読み​取りだけで​買い物を​する​ことができます。​また、初めて​訪れた​ECサイトで​買い物を​する​場合に​不安に​感じる​お客様にも、安心して買い物をしていただけます。

デメリットは、ID決済の提供企業と個別に契約する労力がかかる点です。また、ID決済ごとに入金サイクルが異なる場合もあり、一元管理が難しい点もデメリットとして挙げられます。

さらに、一般的な​クレジット決済に​比べて、​ID決済は​決済手数料が​割高な傾向にあります。​特に​デジタルコンテンツは、​5%から​8%もの決済手数料が​かかる​こともある​ため、​注意が​必要です。

メリット:個人情報入力の手間が省けるため「カゴ落ち」を軽減できる
デメリット:ID決済の提供企業と個別に契約する手間がかかり、手数料が割高

【具体的な決済サービス】
・Amazon Pay
・楽天ペイ(オンライン決済)V2
・PayPay(オンライン決済)
・メルペイ
・LINE Pay
・Google Pay
・Apple Pay など

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銀行振込

銀行振込

ECサイトの販売者が指定した銀行口座に代金を入金する支払い方法で、年配や高齢者の方にも馴染みがあり、多くのECサイトで採用されています。

認知度が高いだけでなく、銀行は全国各地にあることからお客様は利用しやすいことから、幅広い業種・商材で利用することができます。ただし、銀行の営業時間が短いため社会人にとっては不便であり、他行宛の手数料が高く、振込先を誤ると返金などでさらに余計な手数料がかかるなどの理由から、敬遠されるケースもあります。

事業者にとってのデメリットは、お客様から振込みされない場合がある点です。支払がなされなかった場合、ECサイト事業者としては入金の催促やキャンセルの確認をする工数が必要になります。

また在庫を保管している場合には、入金やキャンセルの確認が取れるまで保管コストも発生してしまいます。さらに、購入者からの入金が15時以降になる場合は、翌営業日扱いとなり、入金確認にタイムラグが生じます。

また通常銀行振込は、事業者の振込用口座に対して不特定多数の顧客から振込があります。そのため「消込作業」と言われる、非常に労力のかかる振込確認作業を行う必要があります。

メリット:即時決済なので、代金が不払いになる恐れがない
デメリット:入金の消込作業が必要になるため、手間がかかる

決済サービスの適切な選び方

自社のECサイトに適した決済方法を選ぶためには、「ユーザー属性」の観点から、最適な決済サービスを導きだす必要があります。

それぞれのユーザー属性によって、利用されている決済手段は以下の通りになります。男女13〜19歳の「T層」は、クレジットカードをほとんど持っていないので、「コンビニ決済」や「後払い」がよく利用されます。

20〜34歳の男性の「M1層」は、クレジットカード決済が基本となります。しかし、20代前半はカードを持っていない方も多く、「代引き」や、クレジットカード番号等の入力の必要がないスマートフォンを利用した「後払い」のニーズが高いところがポイントです。

20〜34歳の女性の「F1層」は、個人情報の漏えいを漠然と恐れて「クレジットカード決済」を避ける傾向にあります。

また、自宅で見知らぬ男性とやりとりする必要がある「代引き」も敬遠しがちです。その反面で「コンビニ決済」や「後払い」を使い慣れている方が多いのも、この層の特徴です。

35歳〜49歳の男性「M2層」は、ほぼクレジットカード決済の一択と言えますが、35歳〜49歳の女性「F2層」は、幅広い決済手段を求める傾向にあります。これらのことを踏まえ、自社の事業のメインターゲット層との相性を考え、最適な決済サービスを選択しましょう。

【まとめ】ECサイトで利用されている決済サービスの種類と特徴

ここまで、各決済サービスの特徴やメリットについてご説明してきましたが、決済サービスを選択するにあたって重要なのは、以下の2点に絞られると言えます。

・自社のターゲットや商材と合う決済手段を選ぶ
・自社の労力とコストのバランスを考えて決済手段を選ぶ

こうして売上と利益を最大化することにフォーカスして、決済サービスを選ぶことをおすすめします。また、いずれの決済サービスにも、それぞれに特有のメリットがあり、どれかひとつだけを導入すればいいというわけではありません。

むしろ、できるだけ多くの決済サービスを導入しておくことが重要だといえます。 なぜなら、お客様が買い物をする際に、利用したい決済サービスが使用できなければ、途中で離脱してしまう可能性が高いからです。

逆に、競合サイトと比較された際に「いつも使っている決済サービスがある」という理由で、選んでもらえる可能性があります。

ルビー・グループでは、これまで多くのECサイト運用代行の実績があり、EC決済に関するノウハウはもちろん、ECサイトの売上向上を目的とした様々なマーケティングソリューションをご提供しています。決済サービスについてのご相談がございましたら、何なりとお申し付けください。

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この記事を書いた人

ルビー・グループ コーポレートサイトチーム

各分野の現場で活躍しているプロが集まって結成されたチームです。
開発、マーケティング、ささげ、物流など、ECサイトに関するお役立ち情報を随時更新していきます!

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