ECサイトの構造化データとは?実装方法を徹底解説

2025.03.28

2025.03.28

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構造化データとは、Webページのコンテンツを検索エンジンが理解しやすいように、意味などを明確にするためにタグ付けを行う仕組みのことです。

これにより高いSEO効果を発揮することは、ECサイトの運営に関わる方であればご存知かと思います。

しかし、構造化データとは具体的にどのようなもので、どのように活用すればSEOに効果的なのか、詳しく理解している方は少ないかもしれません。

そこで本記事では、「ECサイトの構造化データには具体的に何を設定すればいいのか」について解説しています。

「構造化データの基本とECサイトへの影響について調べている」「どのようなマークアップをすればよいのか知りたい」という方はもちろん、「Google Merchant Centerとの連携について模索している」という方も、ぜひご一読ください。

構造化データとは?

構造化データとは?のイメージ画像

まずは、「構造化データとは何か?」について解説していきます。ECサイトの構造化データとは、ECサイト内の情報を検索エンジンが正しく理解できるようにするためのコードです。HTMLのタグを使って記述され、マークアップ(タグ付け)とも呼ばれます。

Googleは、ECサイトを他のウェブサイトと同様にクロールしてインデックスに登録し、サイトのコンテンツと意図を理解するためのアルゴリズムを適用します。人間であれば、その際に商品名などの文字を見れば、掲載されているコンテンツの意味や内容を理解できますが、検索エンジンは文字列として見なすだけで、意味は理解できません。

そこで、検索エンジンが文字の情報を理解できるように、テキストに「意味(セマンティック)」を付与するわけです。たとえば、ECサイトで取り扱っている商品の情報を構造化データにする場合、商品名、価格、商品説明、ブランド、レビューなどの構造に分けて情報を入れ、マークアップします。

このようにECサイトのさまざまな情報を構造化データにして、検索エンジンが意味を理解できるように伝えることで、検索エンジンが効率的に情報を収集してECサイト内の情報を把握しやすくするわけです。

構造化データを正しく設定することで得られるメリットは、以下の通りになります。

検索結果にリッチリザルト(別枠表示)される可能性が高くなる

ECサイトに構造化データを実装すると、検索結果画面にリッチリザルトという別枠で表示される可能性が高まります。

これにより、商品名で検索した人が、画像、レビュー、星の数、値段などをすぐに確認できるようになります。また、画像検索の結果画面でも「商品」というバッジがつくので、購入可能であることがひと目でわかり、販売へ誘導しやすい導線が作れます。

クリック率や売上アップが期待できる

リッチリザルトは、通常の検索結果よりも目立つため、検索結果の視認性が高まります。それだけユーザーの目に留まりやすくなるわけで、必然的にクリック率の向上に繋がり、Webサイトへの流入増加が期待できます。

また、商品情報やレビューなどから直接アクセスするユーザーは、ある程度購入の目星を付けているモチベーションの高いユーザーといえます。こうしたユーザーからのアクセスはコンバージョンに繋がりやすく、売上アップも期待できるでしょう。

音声検索や新しい検索方式へ対応できる

スマートスピーカーやスマホの音声アシスタント(Googleアシスタント、Siri、Alexaなど)は、はっきりと意味がわかる情報を好む傾向にあります。

構造化データで整えた情報は、こうした新しい検索エコシステムでも活用されやすく、将来を見据えた検索対策にもなるでしょう。

構造化データは、検索エンジンに対して「このページにはこういう種類の情報が入っていますよ」と伝える説明書のようなものです。活用することは、SEO対策において非常に有効な手段と言えます。ただし、構造化データを実装したとしても、必ずECサイトがリッチリザルト表示されるというわけではありません。

ECサイトの運営者がガイドラインにしっかり従って構造化データを実装した後、Google側がその内容をチェックし、最終的に「この検索キーワードで検索した方にとってリッチリザルトがあるほうが便利」と判断されて、初めてリッチリザルト表示されます。

とはいえ、構造化データを実装しなければリッチリザルト表示される可能性はゼロなので、ECサイト運営事業者は必ず取り組むべき施策と言えます。

ECサイトで使うべき構造化データの種類

自社サイトの情報をリッチリザルト表示できるようにするには、下記の3つのうちのいずれかの構造化データのフォーマットを使用して、サイトのページをマークアップする必要があります。

・JSON-LD
・Microdata
・RDFa

なかでも「JSON-LD」はGoogleが推奨していて、最も一般的に使われているフォーマットと言えます。JSONというデータ形式を使い、HTMLページの<head>および<body>要素の<script>タグ内に埋め込みます。

「JSON-LD」を使うメリットは、コードがシンプルで見やすくなり、HTMLのどこにでも記述できる点にあります。また、テキストをページ内に貼り付けるだけのシンプルな形式のため、難しいプログラミングスキルが必要ないところも特徴。決まったフォーマットに沿ってコードをコピペおよび編集するだけで実装が可能です。

「JSON-LD」を使って構造化データを実装すれば、ECサイト内の情報が正確に検索エンジンに伝わり、検索結果でわかりやすく表示されます。SEO対策の強化や、集客数アップを狙うのでしたら、ぜひトライしてみてください。

なお「JSON-LD」は、構造化データのボキャブラリーとして「schema.org」(https://schema.org/)を使用しており、この2つは、セットで利用します。

「schema.org」は、世界中の検索エンジンが共同で定めているガイドラインで、いわば構造化データ実装のためのルールブックのようなもの。「商品には名前と価格が必要」「記事には見出しと公開日が必要」など、どんな情報をどのような形式で記述すべきかを定義しています。

構造化データを実装する際は、「Schema.org」で自社サイトに合った「タイプ(Type)」を探し、ルールに従って必要な項目を記述しましょう(詳細手順は後述)。

「タイプ(Type)」とは、データが何の種類に属するかを表す「カテゴリ名」で、「これはProduct(商品)である」「これはArticle(記事)である」と、検索エンジンが情報の種類を正しく理解するために必要なものです。ECサイトの場合、主に「Product」「Review」などを使用し、「JSON-LD」では “@type”:”Product” のように記述します。

さらに、タイプごとに定められた情報項目や属性に該当する「プロパティ(Property)」も必要になります。商品情報の場合は「name(商品名):○○」や「price(価格):○○」といった形で記述します。

プロパティには「Required(必須)」と「Recommended(推奨)」がありますが、まずは必須プロパティから確実に実装していきましょう。

主なデータタイプと必須プロパティは以下の通りです。

「商品情報(Product)」を設定する場合

商品情報を正確に設定することで、リッチリザルトに価格や在庫状況を表示することができます。

JSON-LD形式で商品名、画像URL、価格、在庫状況などを明示し、検索エンジンが内容を正しく認識できるようにしましょう。

[必須プロパティ]
name:商品名
image:商品画像URL
description:商品の説明
offers:(価格・販売情報など)
-priceCurrency:通貨
-price:商品の価格
-availability:在庫状況

「レビュー情報(Review)」を設定する場合

検索結果にレビューや評価を表示することで、商品やブランドの信頼性を向上させることができます。

[必須プロパティ]
reviewRating:(レビュースコア)
-ratingValue:評価スコア
-bestRating:最大スコア
author:レビュアーの名前

また、FAQページを構造化データでマークアップ("@type": "FAQPage"と記述)することで、Google検索結果に質問と回答をリッチリザルトで表示させることも可能です。

ページにアクセスすることなく、商品やサービスなどに関する質問と回答が分かるので、検索ユーザーにとっての利便性がアップします。またFAQの回答にリンクを張ることで、自社サイトへ誘導させることもできます。

さらに、パンくずリストの構造化データを設置("@type": "BreadcrumbList"と記述)すれば、検索結果画面にサイト構造を表すナビゲーションである「パンくずリスト」のリッチリザルトを表示させることもできます。

検索したユーザーにとっては、URLが表示されるよりも、パンくずが表示された方がページの内容を把握しやすくなります。また、Googleがサイトの構造を正しく認識できるようになるため、SEO上の効果も見込めます。

JSON-LDを使った構造化データの実装方法

「JSON-LD」を使った、構造化データの実装の大まかなステップは以下の通りになります。

①タイプ選択:サイト内容に合ったタイプを選び、必須項目を理解する
②JSON-LD作成:サンプルコードやオンラインツールを活用し、正しい書式で情報を埋め込む
③テストツールで確認:エラーを修正してから本番環境へ
④本番環境へ実装&動作確認:Search Consoleによる継続的なモニタリングで管理

なお、ECサイトの構造化データのコードは、Googleの「構造化データ マークアップ支援ツール」(https://www.google.com/webmasters/markup-helper/u/0/)で作成できます。

「構造化データ マークアップ支援ツール」は、Google Search Consoleに登録している人であれば誰でも利用可能です。

【手順】
(1)「構造化データ マークアップ支援ツール」ページにアクセス
(2)データタイプを選択し、マークアップを行いたいページURLを貼り、“タグ付けを開始”ボタンをクリック
(3)ページ内のマークアップしたい場所を選択
(4)自動生成されたhtmlソースをページ内のheadセクション内に流しこめば完了

コピーしたコードを指定の場所に貼り付けるだけなので、初心者でも簡単に構造化マークアップを行うことが可能です。

上記の方法などで作成した構造化データはそのまま使えますが、不足部分を自分で補ったり、書き換えたりした場合には正しくマークアップできていない可能性があります。この場合、構造化データをテストし、正しく動作するかどうかを確認しましょう。

「リッチリザルトテスト」のサイト(https://search.google.com/test/rich-results?hl=ja)を使えば、簡単にコードの検証ができます。

「リッチリザルトテスト」は、Googleが無料提供しているツールで、ページがリッチリザルトに対応しているかどうかを簡単に確認することができます。

テストしたいURLを入力するか、テストしたいコードを貼り付ければ、リッチリザルト化されている構造化データの個数やエラー箇所などを示してくれます。

「このページはリッチリザルトの対象です」と表示されていれば、構造化データのマークアップとしては正しいということになります。

テスト自体は無料で時間もかからないため、構造化データが正しく設定できていることを確認することをおすすめいたします。

まとめ

構造化データのマークアップは、サイト上の商品データを機械が直接読み取れる表現形式(Google Merchant Centerとの間で商品データを共有するのに使用可)であり、実装することで、Googleやその他の検索エンジンがECサイトの情報を確実に理解して処理できるようになります。

その結果として、自社サイトの商品情報などのがリッチリザルト表示されれば、通常の検索結果よりも目立ち、ユーザーの目に留まりやすくなるので、クリック率の向上や、Webサイトへの流入増加が期待できます。

ただし、社内のリソースだけでは、構造化データの実装に不安を感じる方も多いと思います。

ルビー・グループでは、これまで数多くのラグジュアリーブランドを始めとしたECサイトの構築・運営のお手伝いをしてきた実績があります。もちろん、ECサイトの構造化データ実装はもちろんのこと、SEO対策に関する最新のスキルを有しております。
ECサイトの構築や運営、またはSEO対策などでお困りでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

ルビー・グループ コーポレートサイトチーム

各分野の現場で活躍しているプロが集まって結成されたチームです。
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