そして、このメールマーケティングに関して強力な支援ツールとなるのが、海外発のマーケティングツール「Klaviyo(クラビヨ)」です。本記事では、「Klaviyo」の概要・機能・価格や、具体的な活用方法などについて解説しています。
「Eコマース向けのメールマーケティングサービスを探している」「ターゲットを絞ったメールマーケティングの実施を行いたい」「Shopifyで活用可能なメールマーケティングサービスのアプリを探している」という方はもちろん、「メルマガの配信は実施しているもの効果を実感できない」「他社との差別化を図るために、画一的ではない施策を打ちたい」という方も、ぜひご一読ください。
Klaviyoとは?
以下で簡単に「Klaviyo」の機能の特徴をご紹介していきます。
デザイン・テンプレートが豊富
ブランドやショップのコンセプトや世界観を損なわずに、魅力的なデザインのメールをゼロから作成することはとても大変ですよね。
デザインの知識や技術がないスタッフでも、一定水準以上のデザインのメールを短時間で作成することができる機能が充実していることは、とても重要です。
「Klaviyo」には、多くの優れたデザインのテンプレートがあり、目的に合わせて自由にデザインを選び、メールを作成することが可能です(もちろん一から自由にオリジナルのデザインを作ることもできます)。
とくに注目したいのは、他のユーザーが作った2,000件以上ものデザインテンプレートを利用できる点。キャンペーンの目的や業種で絞りこむだけでなく、開封率やクリック率が高かったデザインを選ぶこともできます。
また、HTMLメールをノーコード(ドラッグ&ドロップ)で作成することも可能で、モバイル表示の最適化にまで対応しているので、特別な知識や技術が無くても直感的に作成できます。
アクションやイベントに応じたメールの自動送信
「かご落ちフォローメール」「購入後のフォローアップメール」「誕生日メール」などを、自動で配信することができる機能は、ECサイト運営者の労力を削減できるという点でとても重要です。
「Klaviyo」では”Flow”という名の、特定のアクションやイベントに応じてメールの自動送信を設定できる機能を実装。ドラッグ&ドロップで簡単にメールの自動送信フローを構築することが可能で、メールを一定期間送信できたり、ひとつ前のメール内容を踏まえたテキストに変更もできるため、長期的な運用も可能です。
メール送付をするトリガーが充実しているのが特徴で、顧客のサイト内での行動や注文といったアクションをトリガーにすることができるのはもちろん、商品の値下げのタイミングや、設定した顧客セグメントに新たな顧客が加わったタイミングでメールを送るなどの設定もできます。
Shopifyの注文データに基づいた顧客セグメント作成
顧客に同一のコンテンツを送る一斉配信メールの場合、どうしてもぼやけたメッセージになってしまうため、結果として開封されないメールになりがちです。
そうした事態を避けるために、購買目的やニーズ・嗜好などに応じて顧客をグループ分けできるセグメント機能は、メールマーケティングにおいてはとても重要です。
「Klaviyo」では、Shopifyのデータと連携し、特定の商品を購入した方、購入してから1ヶ月以上経過した方など、注文データを使って顧客セグメントを作成することが可能です(セグメント条件を組み合わせることも可能です)。
顧客それぞれに対して適したコミュニケーションをとり、コンバージョンやエンゲージメントの高いメールを送付することができるようになります。
優れたパフォーマンス計測機能
メールマーケティングを適切に実施していくために、「開封率」「クリック率」などのパフォーマンスを把握することはとても大切です。
とくにECサイト事業においては、開封率やクリック率だけでなく「実際の購入に繋がったか?」を分析することが最も重要になります。
「Klaviyo」では、メールの開封率やクリック率を計測するだけでなく、メール作成時にUTMパラメータ(Webサイトを訪問したユーザーの流入経路を計測するURLの末尾)を設定することができるので、メール経由での売上を計測することも可能です。
さらに、作成した顧客セグメントごとにメールの開封率やクリック率などを比較できるため、セグメントごとにメールへの反応の違いを把握することも可能になります。
また、コンテンツのA/Bテストができるので、異なるメールバリエーションを配信して結果を分析することも可能。メールの内容は変更せず、配信時間だけを変更したテストを行うこともできます。
気になる料金ですが、「Klaviyo」には無料プランと有料プランが用意されています。無料プランは、メールアドレス登録250件、メール送信数が500件までと限定されています。
有料ブランは従量課金制が導入されており、リスト数とメール送信量によって月額費用が変動します。
具体的な価格は、Klaviyoの公式ウェブサイト(https://www.klaviyo.com/pricing)に記載されていますので、そちらをご覧ください。
Klaviyoを利用するメリット
それでは「Klaviyo」を利用するメリットを、具体的に解説していきましょう。
Shopifyデータと自動連携できる
「Klaviyo」はShopifyと自動で連携できるため、Shopifyに登録されているメールアドレスを「Klaviyo」へ移行する手間が不要です。また、Shopifyの顧客情報をインプットすることで自動的にセグメントを行うので、属性に対して最適化されたメールを配信することが可能になります。
「ドリップマーケティング」が可能に
「Klaviyo」はメールマガジンだけでなく、「シナリオメール」「ステップメール」、またSMSを活用したマーケティングが可能です。
メールマガジンが「伝えたい内容」を盛り込んだニュースレターのようなものに対し、「シナリオメール」は、顧客の行動パターンごとにメールの内容を分類して、メールの開封やURLクリックなどの状況に応じて配信する手法で、「ステップメール」は、あらかじめ設定したスケジュールに沿って自動配信する手法です。
メールマガジンを配信をしながら、「シナリオメール」や「ステップメール」を織り交ぜ、さらにSMSも並行して活用することで、適切なタイミングで、適切な顧客に、それぞれに合った内容でコミュニケーションを行い、顧客と段階的にコミュニケーションを深めていく「ドリップマーケティング」が可能になります。
分析・レポートが充実
「Klaviyo」では、メールマガジンのコンテンツのA/Bテストを行うことが可能。異なるメールバリエーションを配信して、どちらのメールがより貢献度が高いかを分析できます。件名やコンテンツの違いなどをテストし、メール内容をブラッシュアップしましょう。
またメールの内容は変更せず、配信時間だけを変更したテストを行う事もできます。時間帯によって開封率やクリック率がどう変わるかを計測してみましょう。
さらに「Klaviyo」は、メールの開封率やクリック率、経由売上に至るまでのパフォーマンスなどを確認できます。
こうしたレポーティングツールを利用して、より効果的なマーケティング戦略の立案・実施・改善を繰り返していくことが大切です。
「Klaviyo」を利用すれば、オンラインストアの成長に不可欠なメールマーケティングを、より効率的かつ効果的に進めることが可能です。
Shopifyとの連携方法
「Klaviyo」はShopifyデータと自動連携できるため、Shopifyに登録されているメールアドレスを移行する手間が不要です。ここでは「Klaviyo」の初期設定方法と、Shopifyとの連携の方法について簡単にご説明します。
Klaviyoアカウントの作成
まずは「Klaviyo」の公式サイト(https://www.klaviyo.com/)にアクセスをし、アカウントを作成します。
Shopifyストアへのログイン
「Klaviyo」と連携させるShopifyストアにログインします。
Shopifyのアプリストアにて「Klaviyo」を検索
Shopifyのアプリストア(https://apps.shopify.com/klaviyo-email-marketing)にアクセスし、「Klaviyo」を検索してください。
「Klaviyo」アプリの追加
検索結果表示にKlaviyoアプリを見つけたら、【アプリを追加】ボタンをクリック。アプリのインストール画面に表示された手順に従い、アプリの追加をしてください。
Shopifyとの連携設定
Klaviyoアプリのインストールを完了させると、Shopifyの顧客リストが自動で連携されます。
連携確認
KlaviyoダッシュボードでShopifyストアが表示されているかをチェックしましょう。表示されていれば連携が正しく行われており、これで連携設定は完了となります。
Klaviyoの利用方法
「Klaviyo」の初期設定とShopifyとの連携が完了したら、メールマガジンを作成して送信してみましょう。ここでは大まかなステップをご説明します。
目標設定
まず、メールマガジン送信の目的や目標を設定します。新製品の紹介、特定のセールのプロモーション、ユーザーロイヤルティの向上など、このメール配信を通して達成したいゴールを決めましょう。
ターゲット・セグメンテーション
続いてセグメント作成です。左メニューバーにある”Lists & Segments”より作成します。Listを選択すると、Klaviyoで作成するサインアップフォームや登録ページからメールアドレスの登録を行った顧客をリスト登録します。
Listの作成方法は「サインアップフォーム」「登録者ページ」「CSVファイル」の3種類があります。Segmentを選択すると、すでにShopifyに登録されている顧客情報も含め、全メールアドレスから好きな条件で分類することが可能です。
「平均注文額が5,000円以上」や「1週間以内にログインした」「特定の商品を購入した方」「購入してから1ヶ月以上経過した方」「年齢が30歳以上の方」など、条件に応じて分類してみましょう(条件を組み合わせることも可能です)。 なお「UTMパラメータ」を設定すると、メールをクリックしたユーザーの注文を追跡することができます。
メールマガジン作成
メールの基本情報の設定のため、以下の情報を入力します。
Subject line:メールの件名
Preview Text:プレビューテキスト
Sender name:送信者の名前(ショップ名)
Sender email address:送信元のメールアドレス
続いて、「テキストのみ」「ドラッグ&ドロップ」「HTML編集」の3種類からデザイン方法を選びます。「ドラッグ&ドロップ」を選択した場合は、テンプレートデザインを選択して、ノーコードで編集ができます。
メールマガジンの送信設定
メールマガジンをすぐに送りたい場合は”Send Now”をクリック、送信日時を設定したい場合は”Schedule or Send”を選択してください。
また”Flows”で、カゴ落ちやメルマガの登録直後など、ある条件で自動的に送信する自動メールの設定も可能です。「メールを送信するトリガー(条件)」「メール送信までの時間」「メールの内容」を編集し、設定を完了させてください。
結果の分析と改善
「Klaviyo」では、異なるメールバリエーションを配信して、どちらのメールがより貢献度が高いかテストできます。
件名、画像などの違いなどをテストし、メール内容をブラッシュアップしましょう。
さらにレポーティングツールを利用して、開封率・CTR・コンバージョンなどの指標を日々チェックし、改善を繰り返すことが重要です。
【まとめ】ShopifyでKlaviyo(クラビヨ)を利用したメールマーケティング
Shopifyでメールマーケティングに力を入れたいのなら、「Klaviyo」は非常に強力なツールになりえます。自動化や顧客セグメンテーション、豊富なデザインテンプレート、充実したパフォーマンスの計測・分析機能など、従来のメールマーケティングツールとは一線を画す幅広い機能が実装されています。
さらに、メールマガジンに加え、あらかじめ設定したスケジュールに沿って自動配信する「ステップメール」や、メールの開封やURLクリックなどの状況に応じて配信する「シナリオメール」などを織り交ぜて配信したり、SMSも並行して活用することで、適切なタイミングで、適切な顧客に、それぞれに合った内容でコミュニケーションを図ることも可能になります。
しかし多機能がゆえに、どこから着手していいのかわからない、という方も多いのも事実。まずは基本的な「ウェルカムメール」や「カゴ落ちメール」から配信し、少しずつターゲットを絞りながらシナリオを組んでいくことで、効果的なメルマガ配信を目指しましょう。
メールマーケティングは適切に実施すれば、リピート顧客やファンの獲得に繋がります。「Klaviyo」を利用して顧客をより深く理解し、正しいタイミングで適切なメッセージを配信してみましょう。
この記事を書いた人
ルビー・グループ コーポレートサイトチーム
各分野の現場で活躍しているプロが集まって結成されたチームです。
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