ECサイトの商品販売において、SNSは重要なチャンネルとなりました。若者層を中心にSNSの利用が増え、多くの企業やブランドなどが公式SNSアカウントを持っており、ビジネスに上手く活用しています。
一方で各SNS媒体の特徴などを理解してないと、上手く活用する事が出来ません。
本記事では、各SNS媒体の特徴から効果的な活用方法まで詳しく解説していきます。
ECサイトの売上を成長させていく上でSNSが重要な理由
2022年に経済産業省が出したデータによると日本国内のBtoCのEC市場規模は、約20.7兆円に拡大しており右肩上がりで成長しております。
BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)
参照元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました:経済産業省
また、SNSの利用も活発化しており2022年の総務省のデータによると、20歳~69歳まで利用したことがあると回答した方は全年代において50%を超える結果となりました。
その中でも特に20歳~39歳の層で活発に利用されている状況です。
参照元:SNSの利用状況(日本・年代別):総務省
EC市場の成長とSNS利用者の増加から、自社のECサイトをPRする上でSNSが重要な事が読み取れます。
SNSを利用する事でブランド認知向上やECサイトへのトラフィック増加が期待できるので、まだSNS公式アカウントを持っていない企業やブランドは開設する事をおすすめします。
ECサイト運用におけるSNS活用のメリット
ECサイト運用におけるSNS活用のメリットはいくつかあります。
無料で利用できる
Instagram、Facebook、Twitter、YouTube、TikTokなどビジネスアカウントでも無料で開設、運用が出来ます。LINEは開設費用は無料で、運用費用はプランによっては有料の場合もございます。
無料でブランドや商品の情報を発信する事ができ、消費者のブランド認知度を向上させることが可能となります。またDM機能で消費者の意見を直接聞くことができるため、サービスの品質向上にも役立ちます。
トラフィックの増加
SNSは毎日数百万人が利用するツールであり、ブランドや商品について広く情報を伝えるための有効な方法です。ブランドや商品の情報を共有することで、より多くの人々にリーチすることが可能となります。
また、SNS上にECサイトへのリンクを設置することができ、訪問者数を増加させることが可能です。
多くのユーザーにリーチできるSNSから直接サイトへ誘導できるため、売上の増加につながる可能性があります。
SEO効果
SNS上で企業名やブランド名の記載がされることを、サイテーションと言います。SNS上で商品やサービスについての情報発信する事で、消費者の商品やサービスに対する関心が増え、サイテーションが向上します。
SEOの上位化において信頼性がより重要視されるようになりました。信頼性が上がる1つの要素としてサイテーションも関係しており、SNS上でのサイテーション向上がSEOの評価にも影響してきます。
ターゲティング広告
SNSプラットフォームは詳細なユーザーデータを持っており、 データを活用して商品やサービスを特定の顧客セグメントに対してターゲティングすることが可能です。
ECサイト運用に際しSNS活用時の注意点
ECサイト運用において、SNSを活用する際には、以下のような注意点があります。
プライバシーとセキュリティ
ユーザーのプライバシーとセキュリティは非常に重要です。ユーザーの情報を共有したり、安全でないリンクを投稿しないようにしてください。また、個人情報を安全に保管し、第三者に漏洩しないように注意が必要です。
信頼性と透明性
SNSを通じて商品やサービスを宣伝する場合、情報は常に正確で最新のものであるべきです。誤解を招く可能性のある情報や誇大広告は避け、信頼性と透明性を確保するように努めてください。
ブランドイメージ
SNSでの発言や行動はすべてブランドのイメージに影響を与えます。プロフェッショナルで一貫性のあるブランドイメージを維持するために、投稿内容や対応方法には注意が必要です。
コンテンツの質
SNS上でシェアするコンテンツは、ユーザーに価値を提供するものであるべきです。高品質で魅力的なコンテンツを提供することで、フォロワーを増やし、ユーザーのエンゲージメントを高めることができます。
以上のポイントに注意しながらSNSを活用すれば、ブランドの認知度を高め、新規顧客を獲得し、既存の顧客との関係を深めるのに有効なツールとなるでしょう。
各媒体ごとのSNSの特徴
SNSは、人々がオンラインでコミュニケーションを取るための重要なプラットフォームです。
それぞれが特有の特徴と用途を持っています。以下に、いくつかの主要なSNSの特徴を挙げてみましょう。
Facebook(フェイスブック)
Facebookの日本国内での利用者数は、2019年7月時点で約2,600万人になります。
参照元:フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」–独占ロングインタビュー
利用者層は特に30代~40代のユーザーが多い傾向があります。
ユーザーは自分のプロフィールを作成し、友人や家族と繋がり、 写真やビデオを共有し、グループに参加し、イベントを作成し、ビジネスの宣伝もできます。また、Facebookでは実名で登録するため、プライベートな環境というよりも、社内の人間や仕事で知り合った知人などビジネスシーンでの利用が多いです。
Twitter(ツイッター)
Twitterの日本国内での利用者数は、2022年1月時点で5,895万人になります。
参照元:マスク氏「Twitterは日本中心」 社内会議で言及
利用者層は流行りに敏感な10代~20代のユーザーが多い傾向があります。
Twitterは短いテキストメッセージ(140文字以内)を投稿することができるSNSです。これらのメッセージは”ツイート”と呼ばれ、リアルタイムの情報共有に非常に適しています。ニュース、意見、個人の更新など、多岐にわたる情報が共有されています。
Instagram(インスタグラム)
Instagramの日本国内での利用者数は、2019年3月時点で3,300万人になります。
参照元:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
利用者層は10代~30代のユーザーが多い傾向があり、女性の利用が多いのも特徴になります。
Instagramは主に写真とビデオの共有が充実したSNSになります。ユーザーはフィルタを使用して自分の写真やビデオをカスタマイズし、 ストーリーズ機能を使って短期間のコンテンツを共有することもできます。
TikTok(ティックトック)
TikTokの日本国内での利用者数は、2019年時点で950万人になります。
参照元:TIKTOK USERS, STATS, DATA & TRENDS
利用者層は、10代~20代の若年層のユーザーが多い傾向にあります。
TikTokはショートビデオを作成し共有するSNSで、特に若者の間で非常に人気があります。
エンターテイメント要素が強く、音楽、ダンス、コメディなどさまざまなコンテンツが楽しめます。
LINE(ライン)
LINEの日本国内での利用者数は、2023年3月末時点で9,500万人になり、非常に高い利用者数になります。
参照元:年代や性別、都市部や地方を問わず、日本の人口分布に近いユーザー分布
全年代で高い支持があり、生活に欠かせないコミュニケーションアプリになります。
テキストメッセージや音声通話、ビデオ通話がありますが、これに加えてスタンプを使って表現を豊かにしたり、写真やビデオ、ファイルを共有したり、またグループチャットを行ったりといった機能も提供しています。
LINE上で友人とのコミュニケーションを楽しむだけでなく、企業とのコミュニケーション、ニュースの配信、ショッピング、決済(LINE Pay)など、幅広いサービスが利用できます。
YouTube(ユーチューブ)
YouTubeの日本国内での利用者数は、2023年3月時点で7,000万人になります。
参照元:YouTube をマーケティングのヒントに —— トレンドが生まれ、マルチフォーマットなどで生活に定着進む
全年代で高い利用率があり、世界で最大のビデオプラットフォームになります。
YouTubeは、ユーザーがビデオを投稿、共有、視聴することができるオンラインのビデオ共有プラットフォームです。
音楽ビデオ、映画の予告編、教育的なチュートリアル、DIYのガイド、 ニュースクリップ、レビュー、ゲームプレイなど、あらゆる種類のビデオを視聴できます。個人ユーザーだけでなく、企業やメディア企業もYouTubeを使用して、プロモーションビデオやニュースリリースなどを公開可能です。
ECサイトの売上に繋がるSNSマーケティング手法
SNSマーケティングは、ECサイトの売上向上に非常に有効な手法です。
以下に、売上につながるSNSマーケティングの手法をいくつか紹介します。
ターゲットユーザーの特定とエンゲージメント強化
SNSでは、ユーザーの属性、行動パターン、興味などをもとにターゲットユーザーを特定し、ユーザーが興味を持ちそうなコンテンツを提供することが可能です。 また、コンテンツに対するユーザーの反応(いいね、シェア、コメントなど)をモニタリングし、 ユーザーとのエンゲージメントを強化します。
SNS広告
Facebook, Instagram, TwitterなどのSNSプラットフォームは広告サービスを提供しています。SNSを利用して、商品やサービスをターゲットユーザーに直接アプローチができます。さらに、広告はユーザーの興味や行動パターンに基づいてカスタマイズすることが可能です。
インフルエンサーマーケティング
SNSで人気のあるインフルエンサーに商品やサービスを紹介させ、インフルエンサーの影響力を利用して広範囲のユーザーにリーチすることが可能です。特にInstagramやTikTok、YouTubeなどのビジュアル中心のSNSで効果的です。
UGC(ユーザー生成コンテンツ) の活用
UGCとは、個々のユーザーが自分で作成したコンテンツの事を指します。自社の商品やサービスを実際に使っているユーザーの投稿(レビュー、写真、動画など)を共有することで、商品の魅力を伝えるとともに、信頼性を高めることが可能です。
ショッピング機能の活用
InstagramやFacebookなどのSNSでは、投稿内に直接商品リンクを設けることが可能です。ユーザーは投稿を見ながら商品を購入でき、購買までのプロセスをスムーズにすることができます。
情報発信
新商品の発売やキャンペーン情報など定期的に新しい情報やコンテンツを投稿することで、ユーザーとの関係を維持し、ブランドの存在を意識させ続けることができます。
ECサイト運用におけるSNS活用事例
Facebookでの事例(ユニクロ)
企業:ユニクロ SNSアカウントURL:https://www.facebook.com/uniqlo フォロワー:約116万人(2024年8月時点) |
キャンペーン、新商品発売、セール、売り出し商品などの情報を1日数件にあたり発信しています。
季節やシートごとの特有のコンテンツを投稿しており、写真と文章で商品の魅力が伝わる内容となっております。
起用タレントとの動画や投稿もあり、ブランド価値を高めるアカウントとなっております。
Twitterでの事例(ローソン)
企業:ローソン SNSアカウントURL:https://twitter.com/akiko_lawson フォロワー:約855万人(2024年8月時点) |
日本企業でトップのフォロワー数を誇るアカウントになります。「あきこ」というキャラクターが発信をしている設定で、アイコンなどもキャラクターを設定しています。
キャラクターや社員が顔出しをして発信をしているSNSは、消費者と企業との壁を無くし、親しみやすい点で効果的です。
また、プレゼント企画やキャンペーン情報などを発信し、有効な運用が行われております。
Instagramでの事例(ニトリ)
企業:ニトリ SNSアカウントURL:https://www.instagram.com/nitori_official/ フォロワー:約148万人(2024年8月時点) |
生活雑貨業界において、日本でTOPの売上を誇るニトリのアカウントになります。投稿機能の写真に文字を入れる事で、ユーザーの興味関心が沸き、より高いエンゲージメントを獲得するような運用がされております。また、ストーリー機能で家具ランキングを掲載したり、ユーザーの求める情報を様々な角度から提供している、 質の高いSNSアカウントになります。
TikTokでの事例(ドミノ・ピザ)
企業:ドミノ・ピザ SNSアカウントURL:https://www.tiktok.com/@dominos_jp フォロワー:約40万人(2024年8月時点) |
SNS動画投稿キャンペーン「求ム! ドミノ 最高チーズ責任者」を実施し、大きく注目を集めました。
「#ドミノチーズ100万」を付けて動画を投稿し、ドミノが認めた、チーズの伸びをもっとも美しく表現した方は100万円を得る企画です。多くの視聴者が企画に参加し、数多くの動画が投稿されました。結果的に視聴者を集め、企業の宣伝として効果を発揮しました。
LINEでの事例(楽天市場)
企業:楽天市場 LINE ID:@rakutenichiba フォロワー:約5687万人(2024年8月時点) |
「お買いものパンダ」というキャラクターが有名なビジネスアカウントです。友達登録する事で、LINEトーク内でのスタンプを利用できます。可愛らしいキャラクターのスタンプをフックにフォロワーを獲得しております。他にも楽天市場内で使用できるクーポン配布などのキャンペーン情報を発信しており、上手く活用されているアカウントになります。
YouTubeでの事例(無印良品)
企業:無印良品 SNSアカウントURL:https://www.youtube.com/@MUJIglobal フォロワー:約7万人(2024年8月時点) |
「毎日使う、くらしの基本」「天下取っても二合半。」など幅広いシリーズをコンスタントにアップしています。企業理念である、「人と自然とモノの望ましい関係と心豊かな人間社会」を考えた商品、サービス、店舗、活動を通じて「感じ良い暮らしと社会」の実現に貢献する。を体現するような内容になっており、 ブランドイメージをユーザーに伝える内容となっております。
まとめ
いかがでしたか?本記事では、ECサイト運用における効果的なSNS活用方法についてについてお伝えしました。ECサイトの集客でSNSは、欠かせないツールになります。効果的な運用を実施する事で、売上アップにも繋がるのでぜひ活用してみて下さい。
ルビー・グループでは、SNSの運用代行サービスを提供しております。
作業領域に応じていくつかのプランも用意しておりますので、お困りの際はぜひご相談ください。
この記事を書いた人
ルビー・グループ コーポレートサイトチーム
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