2024.6. 5

2024.6.19

#SEM

ECサイトにおけるSEO対策を各要点ごとに徹底解説

ECサイトにおけるSEO対策を各要点ごとに徹底解説
SEO(Search Engine Optimization)は「検索エンジン最適化」を意味し、Googleなどの検索エンジンの検索結果で、特定のWEBサイトをインデックスさせたり、上位表示させるためにさまざまな施策を行うことです。特に、ECサイトを構築したばかりの時期は、まずSEO対策をしっかりと行い、少しでもサイト訪問や商品購入といったアクションを起こしてもらうきっかけを作ることが重要です。
本記事では、ECサイトにおけるSEO対策の重要性や、ECサイトの主なSEO施策内容などを徹底解説しています。「集客に伸び悩んでいる」「広告に依存しており広告費用を削減したい」とお悩みをお持ちの事業者の方、「具体的なSEOの施策内容を知りたい」という方は、是非ご一読ください。

ECサイトでSEO対策が重要な理由

ECサイトでSEO対策が重要な理由

ECサイトへの主な集客経路は、大きく分けて「検索エンジン」「SNS」「WEB広告」の3つがありますが、SNSやWEB広告はすぐに効果が期待できる反面、短期間でしか集客が成功しなかったり、コスト増になってしまったりする可能性があります。一方で、きちんとSEO対策をすれば、自然検索による上位表示が狙えるので、広告コストをかけることなく集客数を増やすことができ、利益率やコンバージョンをアップさせることも可能になります。

 

またSEO対策とは、単に検索結果の上位に表示させるだけではなく、ユーザーにとって価値ある情報を提供し、操作しやすいWEBサイトを作ることも含みます。SEO対策を行うことでユーザビリティが向上し、その結果、ユーザーの滞在時間が長くなり「まとめ買い」につながったり、リピート訪問数を増やすといった長期的な利益を得ることができます。

 

どれだけ丁寧にECサイトを構築しても、集客に失敗したり、ユーザーがすぐに離脱してしまえば、売上も利益も上げることはできません。ECサイト事業を軌道に乗せるために、WEBサイトやコンテンツに対して正しいSEO施策を行いましょう。

SEOを意識したECサイト構築

SEOの効果を最大化するためには、ECサイトを構築する際に「ユーザビリティを意識する」ことが重要です。コンバージョンにつなげるために、ECサイトの操作性やコンテンツの質などを高め、ユーザー目線でSEO対策をしていきましょう。

 

ユーザビリティを向上させるための一つの手段として挙げられるのが「内部リンクの最適化」です。

たとえば、自社サイトのWEBページのテキスト文章からサイト内の別ページへ内部リンクを張るケースがあると思います。その際に、リンク元ページのコンテンツとリンク先ページのコンテンツ内容の関連性を重視する必要があります。ユーザーは前後の文章内容やページのテーマをもとに内部リンクをクリックするので、関連する詳細な情報をリンク先に求めている可能性が高いからです。さらに、グローバルメニュー、フッターメニュー、サイドカラムのメニューなどの共通ナビゲーションから、こうした内部リンクが充実したページへリンクを貼れば、WEBサイトの内部リンクの最適化を推し進めることができます。

 

また、さまざまなユーザーの行動パターンを想定して、購入までの導線を意識したデザイン設計を行うことで、ユーザビリティを高めることができます。たとえば、ユーザーが商品検索をしているときに、検索結果として表示された商品一覧の横にサイドメニューを設置し、おすすめ記事や他の商品と比較できる導線を作ります。ユーザーは、求めていた商品に関する情報が次々と見つかることで、商品への興味や購買意欲が高まります。このように、関連するWEBページへの内部リンクを充実させて、ユーザーの利便性を高めることが内部リンク最適化のポイントとなり、その結果、リンク元ページやリンク先ページの質向上につながり、Googleに評価されてページが上位表示化しやすくなるというわけです。

 

もう一つ、外部のシステムやツールの導入も、品質の高いユーザビリティの実現に有効な手段です。 たとえば、決済方法は、コンビニ払い、代引き、銀行振り込み、クレジットカード(Visa、Mastercard、JCBなど)、電子決済等があります。さらに、電子決済にも様々な方法があるため、それらの決済方法にも対応すればユーザビリティがアップします。また、X(旧Twitter)、LINE、Facebook、Instagramなどのソーシャルボタンを設置し、ユーザーが友達と商品やサービスを共有しやすくしましょう。

ページをつなぐ内部リンクを最適化したり、外部のシステムやツールを導入するなどして高いユーザビリティを有したWEBサイトは、検索エンジンからクロールされやすくなり、インデックスされやすいので、SEOに効果的です。

ECサイトの主なSEO対策内容

次に、ECサイトの主なSEO対策について解説いたします。

 

キーワード選定

SEOでもっとも重要と言っていいのが、キーワードの選定です。たとえば「カーディガン 冷房対策」のように、ユーザーがどのようなニーズや悩みなどを持っていて、どんなキーワードで検索するのかを考えましょう。そして、その需要や悩みに応えるようなコンテンツを自社サイトで提供します。

Google検索では、キーワードを打ち込むと、ユーザーがよく検索している単語の組み合わせを表示するサジェスト機能があるので、活用してみてください。また、自社の商品と関連性が強い、専門性の高いニッチなキーワードでSEO対策をするのも有効な手段です。検索数が少ないニッチなキーワードであるほど、競合サイトが少ないぶん検索結果の上位に表示され、コンバージョン率が高くなる傾向にあります。キーワード選びをサポートしてくれるツールなどもありますので、お悩みの際は利用してみることをおすすめします。

 

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タイトル・ディスクリプションの設定

タイトル・ディスクリプションの設定

ECサイトの各ページのタイトルには、①で選定したタイトルや関連するキーワードを入れましょう。

これにより、検索したユーザーに「このコンテンツは、自分のニーズや課題に応えてくれている」ことを伝えることができます。またタイトルに選定キーワードを入れることは、検索エンジンに対しても「ユーザーの検索意図と合致している良質なコンテンツ」であることを伝える大切な方法です。 タイトルの内容は検索順位に大きく影響を与えるので、タイトル決めは慎重に取り組んでください。なお、検索結果画面に表示できる文字数には制限があるので、タイトルはなるべく25字から30字程度にしましょう。

 

ディスクリプションとは、Webページの内容を説明した文章を指します。ディスクリプションは、検索結果の順位に影響を与えることはほとんどありませんが、検索結果ページでユーザーの目にふれるため、クリック率に大きく影響します。 タイトル同様に検索結果画面に表示できる文字数に制限があるので、60文字~80文字程度にしましょう。

 

モバイルフレンドリー

WEBサイトを、モバイル(スマートフォン)でも見やすく操作しやすい状態にすることを、モバイルフレンドリーと言います。2018年3月27日にGoogleよりモバイルファーストインデックスの開始が発表されました。モバイルファーストインデックスとは、SEOページ評価をパソコンページではなくスマホページを基準に行うことを意味しています。その影響からモバイルフレンドリーでないWEBサイトは、検索順位が下がってしまうので要注意です。自社のサイトがモバイルフレンドリーかどうかは、Google chromeの拡張機能「Lighthouse」を使用して確認が可能です。

 

商品画像にalt設定

自社サイトを検索結果の上位に表示させる場合は、WEBサイトを自動で巡回して文書や画像の情報を収集する「クローラー」に、画像の情報を理解してもらう必要があります。クローラーに画像の情報をを伝えるために、画像にalt情報を設定します。alt情報とは、その画像に何が写っていて、それが何を意味しているのかといった、画像の内容を説明する代替テキストのことです。画像にalt情報を設定すれば、何かしらのエラーで画像が表示されない場合でも入力したテキストが表示されるので、ECサイトのユーザビリティ向上にもつながります。

 

なお、2024年4月1日から、障害者差別解消法の改正により、これまで努力義務だったWEBアクセシビリティの対応が法的義務になりました。 WEBアクセシビリティとは、高齢者や障害者など、心身の機能に関する制約や利用環境等に関係なく、すべての人がWEBで提供される情報を利用できるようにすることを意味します。WEBアクセシビリティとSEOは、高い関連性を持っています。WEBアクセシビリティを向上させることはSEO対策にもつながるので、必ず対応しましょう。


アクセシビリティ向上に必要な代表的な施策は以下の通りです。

・ページの内容が分かるページタイトルを記述する

・見出しやリストなどの文書構造をマークアップする

・リンクテキストはリンク先が分かる文言にする

・商品画像にalt設定をする ・情報を伝える色の使い方に注意する

・動画に字幕を入れる

・コンテンツを拡大表示できるようにする 等

 

法令遵守だけでなくSEO対策の観点からも、商品画像にalt設定するなど、WEBアクセシビリティ向上の対策は必ず行ってください。

 

構造化データのマークアップ

ECサイトの商品ページに構造化データを追加すると、ユーザーは、価格、在庫状況、レビューの評価、配送情報などを検索結果ですぐに確認できます。その結果、クリック率の向上が期待できるので、構造化データのマークアップは、ユーザー流入数の向上に欠かせないSEO施策の一つです。

 

重複ページの正規化

ページの重複とは、Aという検索キーワードに対し、同一WEBサイト内のページBとページCがどちらも回答になりえてしまう状況です。これは「検索キーワードに対して最適な回答を提示すること」というGoogleの基本理念に反しています。

 

SEOの観点からこのような状態を回避するために、重要な働きをするのが「canonical」と呼ばれるHTMLタグです。canonicalタグを使うと、クローラーに対してどのURLが正規ページなのかを伝えることが可能です(これを「正規化」と呼びます)。

 

Googleは正規化されたメインページのみをインデックス登録するため、こうして重複ページの正規化を行えば、コピーコンテンツでペナルティを受けるリスクを減らせます。具体的に例をあげると、ページネーションで構築されているサイトで、Tシャツのカテゴリーページが5ページある場合、 1ページ目に対して、2ページ目以降のページはcanonicalで正規化する必要がございます。

 

他にも、商品ページでカラーがいくつかある場合も重複ページ扱いになるケースがございます。どのページが重複ページ扱いかは、Googleサーチコンソール上で確認が出来るので定期的に分析するといいでしょう。

 

ページ速度の改善

ページの表示速度とは、ユーザーが検索結果画面からECサイトのページへ遷移した際に、表示されるまでにかかる時間のことです。Googleが、表示速度が極端に遅いモバイル向けページの検索順位に影響を与えるアルゴリズム「スピードアップデート」を導入していることからもわかるように、 WEBサイトの表示速度もSEOに影響するとされています。

 

またWEBサイトのページ表示速度が遅いとユーザーの離脱の原因にもなり、売上に悪い影響を与えるため、表示速度の改善に取り組むことをおすすめします。ページ速度が重くなる要因はいくつかございますが、画像サイズの問題が特に多いです。

 

その場合、Googleが開発した画像フォーマットWebP(ウェッピー)を使用すると改善が見込めます。Shopifyで構築されたECサイトだと、自動で画像の拡張子がWebP(ウェッピー)に切り替わるなど一般的かつ効果的な手段の一つです。まずは「PageSpeed Insights」などのサービスを使い、ページの表示スピードを診断してみて下さい。

そして、表示速度を遅くしている原因を把握し、対策できるものがあれば早急に対策をしましょう。

【まとめ】ECサイトにおけるSEO対策を各要点ごとに徹底解説

ここまでECサイトにおけるSEO対策と、その重要性などを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。SEO対策とは、単に検索エンジン向けの最適化にとどまらず、サイト利用者の利便性や信頼性を最適化することでもあります。

 

ECサイトの利便性や信頼性が向上すると、購入率や客単価にも確実に良い影響を与えますので、ぜひ取り組みましょう。しかし、SEOは即効性がなく、効果が出るまでに多大な時間と労力がかかります。

 

ルビー・グループでは、SEO対策はもちろん、各種広告を活用した集客施策、イベントやセールの企画、カートの改善に向けた分析と改修案など、経験豊富なスペシャリストが提案させていただきます。ECサイト周りでお困りの際は、ぜひご相談ください。

 

この記事を書いた人

ルビー・グループ コーポレートサイトチーム

各分野の現場で活躍しているプロが集まって結成されたチームです。
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