ECサイトの売上を伸ばす!コンテンツマーケティングの基本と実践法

2025.09.16

2025.09.16

この記事は約8分で読み終わります。

ECサイトの売上を伸ばす!コンテンツマーケティングの基本と実践法
「ECサイトの集客や売上が伸び悩んでいるが、広告コストが高騰しているからオーガニック流入(SEO・コンテンツ)を強化したい」という方が、必ずと言っていいほど取り組むのが「コンテンツマーケティング」。

しかし「本当に効果があるのか」「実際にどんなコンテンツを作ればいいのか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?

本記事では、ECサイトの売上を伸ばすコンテンツマーケティング実践のステップを、ご紹介。コンテンツマーケティングが、売上だけでなくSEOやブランディングにどのような効果をもたらすのか、記事の書き方だけでなくSNS連動の方法などを詳しく解説しています。

「どのように成果を測定すればよいか(KPI、GA4での分析方法)」、「コンテンツ制作を効率化する方法を知りたい」という方も、是非ご一読ください。

ECサイトにコンテンツマーケティングが必要な理由

ECサイトにコンテンツマーケティングが必要な理由

顧客との接点を増やし、集客力を高める

ECサイトは、ただ商品を並べるだけでは顧客の目に留まりにくいのが現状です。商品の魅力やブランドの世界観を伝えるブログ記事、SNS投稿、動画などを活用したコンテンツマーケティングを行うことで、顧客との新たな接点を作り出すことができます。

たとえば「肌荒れに悩む人におすすめのスキンケア方法」「キャンプ初心者向けテント選びのポイント」など、顧客の悩みや疑問を解決するような記事を制作することで、検索エンジンからの流入を増やすことができます。

また、こうしたユーザーにとって有益な情報や共感を呼ぶコンテンツはSNSで拡散されやすく、新たな顧客層へのリーチにつながります。

ブランド認知度と信頼性を向上させる

広告だけでは伝えきれない、商品の背景にあるストーリーや作り手のこだわり、ブランドの理念などをコンテンツを通じて発信することで、顧客は単なる商品購入者ではなく、ブランドのファンになる可能性が高まります。

また専門性の高いコンテンツを提供することで、その分野における信頼できる情報源としての地位を築き、顧客からの信頼を獲得することも可能です。

顧客の購買意欲を高める

商品のスペックや価格だけでは、顧客の購買意欲は十分に高まりません。コンテンツは、商品をより魅力的に、そして顧客にとって価値あるものだと感じてもらうための重要な役割を果たします。

「この商品を使えばこんな風に生活が変わる」「こんな悩みも解決できる」といった具体的な活用方法を動画や記事で紹介することで、顧客は商品をよりリアルにイメージできるようになります。さらに、実際に商品を使った人の感想や成功事例を紹介すれば、購入に対する不安を軽減し、購買意欲を後押しします。

広告費に依存しない資産を構築できる

良質なコンテンツは一度作成すればサイトに蓄積され、検索エンジンの上位に表示され続けることで、中長期的に集客効果を生み出し続けます。

また、ブログ記事で作成した内容をSNSやメールマガジン、動画など、さまざまな形式に再編集して活用することで、少ないコストで多様なチャネルに情報を発信することも可能です。

ECサイト向けコンテンツの種類と活用法

ECサイトにおけるコンテンツマーケティングには、多様な種類とそれぞれの活用法があります。顧客の「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」「リピート」といった購買プロセスに合わせて、適切なコンテンツを使い分けることが重要です。

オウンドメディア(ブログ・コラム)

自社で運営するブログやコラムは、ECサイトのコンテンツマーケティングの核となるものです。

・お役立ち記事:顧客の悩みや疑問を解決する記事(例:スキンケア方法、調理レシピ、ファッションの着こなし術など)。検索エンジンからの流入を狙い、「認知」や「興味・関心」の段階の顧客にアプローチします。
・商品詳細記事:商品ページだけでは伝えきれない、商品の製造過程や開発者の想い、こだわりなどを深掘りした記事。商品の魅力を多角的に伝え、「比較・検討」段階の顧客の購買意欲を高めます。
・事例・レビュー記事:実際に商品を使った顧客の声や、活用事例を紹介する記事。購入後のイメージを具体的に提示し、購入への後押しをします。

※参考にしたい事例:THE NORTH FACE(https://www.goldwin.co.jp/tnf/special/window/
ブランドの世界観とストーリーを伝えることに特化し、読者が「ブランドの価値観」に共感した上で購入することを促しています。

SNS(Instagram, X, YouTube, TikTokなど)

SNSは、顧客との双方向のコミュニケーションを可能にし、ブランドの世界観を視覚的に伝えるのに適しています。

・Instagram:視覚的な訴求力が強いため、ファッション、雑貨、食品などのECサイトと相性が良いです。商品のコーディネート例、使用シーン、ブランドのストーリーなどを写真や動画で発信し、ブランドの世界観を構築します。
・X(旧Twitter):最新情報の発信や顧客との気軽なコミュニケーションに活用できます。新商品やキャンペーン情報、セール情報などをリアルタイムで発信し、ECサイトへの誘導を促します。
・YouTube/TikTok:商品の使い方を解説するハウツー動画、レビュー動画、ブランドの舞台裏を映したドキュメンタリーなど、動画ならではの情報を届けます。特に「使い方」や「活用方法」を具体的に見せることで、顧客の購入後のイメージを湧かせやすくします。

※参考にしたい事例:SNIDEL(https://www.instagram.com/snidel_official/
最新のルックブックやコレクションをプロのモデルが着用した質の高い写真・動画で発信するだけでなく、一般の顧客がブランドの服を着て投稿する「#SNIDEL」のハッシュタグをうまく活用し、多様な着こなし方を紹介しています。

メールマガジン

既存顧客や会員登録者に向けて、パーソナライズされた情報を届けるのに有効です。

・限定情報の発信:会員限定のセール情報やクーポン、新商品の先行案内などを配信し、ロイヤリティの向上とリピート購入を促します。
・セグメント配信:顧客の購入履歴や閲覧履歴に応じて、おすすめ商品を提案するメールを配信することで、顧客一人ひとりに合わせたアプローチが可能です。
・コンテンツの再利用:オウンドメディアで発信した記事やSNS投稿をメルマガで紹介することで、顧客をECサイトに再訪問させることができます。

※参考にしたい事例:ZOZOTOWN
顧客一人ひとりの行動データに基づき、パーソナライズされたコンテンツを配信。 顧客の閲覧履歴や購入履歴を基に、「あなたが見ていた商品が残りわずかです」や「あなたが好きなブランドの新作」といった情報を、個別に配信しています。

ユーザー生成コンテンツ(UGC)

顧客自身が生成したコンテンツ(レビュー、SNS投稿など)は、ECサイトの信頼性を高める上で非常に重要です。

・商品レビュー: 商品ページにレビュー機能を導入し、購入者の生の声を集めます。
・SNSキャンペーン: 「#(ハッシュタグ)をつけて投稿するとプレゼント」といったキャンペーンを実施し、顧客にSNSで商品の写真を投稿してもらうよう促します。これらのコンテンツをECサイトやSNSで紹介することで、新規顧客の安心感につながります。

※参考にしたい事例:ZOZOTOWN
日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」は、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」とECサイトを連携させ、ユーザーが投稿したコーディネート写真から直接、商品を購入できるようにしています。

コンテンツマーケティング成功のステップ

ECサイトのコンテンツマーケティングを成功させるためには、何を実現したいのかを明確に定義し、その達成度を測るためのKPIを適切に設計することが不可欠。さらにターゲットの設定や、コンテンツの改善などの継続が重要です。以下で、必要なステップを具体的に解説しています。

目的設定とKPI設計

まずは「ECサイト全体の売上を前年比20%向上させる」「新規顧客獲得数を月1,000人増やす」「リピート購入率を15%から20%に引き上げる」などのように、ECサイト全体の最終的なゴールを具体的に設定します。そしてこのゴールを達成するために、コンテンツマーケティングが具体的にどのような役割を担うかを定義します。

以下のように、顧客の購買プロセスフェーズに焦点を当てて、目的を設定しましょう。
・認知段階:ターゲット顧客へのブランド認知度を高める
・興味・検討段階:顧客に商品の魅力を深く理解してもらい、購買意欲を高める
・リピート段階:既存顧客との関係を強化し、再購入を促す

目的が定まったら、それを定量的に測定するためのKPIを設定します。KPIは、設定した目的と紐づいている必要があります。

・認知度向上を目的としたKPI:「セッション数/ユーザー数」「PV数」「検索順位」「SNSのフォロワー数」「インプレッション数」など
・購買意欲向上・見込み顧客獲得を目的としたKPI:「平均滞在時間/セッション」「 回遊率」「コンバージョン率」「顧客獲得単価」
・リピーター獲得・LTV向上を目的としたKPI:「メルマガの開封率・クリック率」「ECサイトの再訪問率」「リピート購入率」

ターゲット・ペルソナ設計

誰に、どのような情報を届けるかを明確にすることで、的外れなコンテンツ制作を避け、顧客の心に響くメッセージを発信できます。

ターゲット設定の方法

1.顧客データの分析
・デモグラフィック情報(年齢、性別、居住地、職業、年収、家族構成など)
・サイコグラフィック情報(趣味、興味、ライフスタイル、価値観など)
・行動データ(どの商品を購入したか、サイト内のどのページをよく見ているか、購入頻度、購入金額など)

2. 顧客の課題とニーズを特定
「肌荒れに悩んでいるので、敏感肌でも使えるスキンケア商品を探している」「キャンプを始めたいが、何から揃えればいいかわからない」「在宅勤務で腰痛がひどくなったので、快適な椅子を探している」など、ECサイトに訪れる顧客が、どのような課題を抱え、何を求めているのかを考えます。

3. ターゲットをセグメント
収集したデータをもとに、以下のように共通の属性や課題を持つグループに分類します。
・グループA:30代女性、都内在住、仕事が忙しい、手軽で効果的なスキンケアを求めている
・グループB:50代男性、郊外在住、趣味はキャンプ、最新の便利グッズに興味がある

ペルソナ設計の方法

ペルソナは、ターゲット設定で定めたセグメントの中から、代表的な架空の人物像をより具体的に、深く掘り下げて設定することです。ペルソナを設定することで、コンテンツ制作の方向性がブレなくなります。

ターゲット設定で得た情報に加えて、以下の項目を具体的に設定し、一枚のシートにまとめましょう。

・基本情報:名前、年齢、性別、職業、居住地、家族構成、最終学歴、年収
・人物像 ライフスタイル:性格、価値観、趣味、休日の過ごし方、情報収集源、日々の悩みや課題、ECサイトを利用する時間帯やデバイス
・ECサイトとの接点:商品購入の動機、商品を探す際のキーワード、購入をためらう理由や不安、購入の決め手
・ゴール:ECサイトを通じて何を実現したいか、この商品を手に入れた後の理想の状態

コンテンツ制作・運用・改善サイクル

ECサイトのコンテンツマーケティングを成功させるためには、PDCAサイクルを回し続けることが重要です。このサイクルを効果的に運用するための秘訣を、「制作」「運用」「改善」の3つのフェーズに分けて解説します。

制作フェーズ:「誰に、何を、どう伝えるか」を徹底的に考える

Googleキーワードプランナーなどのキーワードリサーチツールを活用し、顧客が実際に検索しているキーワードを把握。ターゲット顧客の悩み、疑問、知りたいことは何かを徹底的に深掘りし、ペルソナに基づいたトピックを選定しましょう。

運用フェーズ:作ったコンテンツを届け、顧客とつながる

コンテンツは作って終わりではありません。SNSやメルマガなど適切なチャネルで発信し、顧客との接点を作り出すことが不可欠です。さらにコンテンツへのコメントやSNSでの反応に対し、積極的に返信しましょう。

改善フェーズ:成果を分析し、次のアクションにつなげる

Googleアナリティクスなどを使い、設定したKPI(PV数、滞在時間、回遊率、コンバージョン率など)を定期的にチェック。どのコンテンツが多くのアクセスを集めているか、どのコンテンツが購買につながっているかなどを分析し、その結果に基づいて、次のコンテンツ作成に活かしましょう。

成果測定と改善ポイント

ECサイトのコンテンツマーケティングにおいて、制作したコンテンツが実際にビジネスの成果(流入・CV・売上)にどの程度貢献しているかを分析することは非常に重要です。この分析を行うことで、効果の高いコンテンツを特定し、次の戦略に活かすことができます。主な分析方法をステップごとに解説します。

ステップ1:分析ツールの設定とデータの収集

・Google Analytics(GA4): 最も基本的な分析ツールです。コンテンツごとのアクセス数、平均滞在時間、直帰率、流入経路などを把握できます。
・ECサイトの管理システム: どの商品が、どの注文番号で、いくらで売れたかといった、売上データを取得します。
・サーチコンソール: どのキーワードでECサイトに流入しているか、検索順位の推移などを分析できます。
・SNSのインサイト: 各SNSの投稿のインプレッション数、エンゲージメント率、クリック数などを確認します。

ステップ2:流入(トラフィック)への影響分析

・流入元別のセッション数/ユーザー数
Google Analyticsで「集客」>「トラフィック獲得」レポートを開き、「Organic Search(自然検索)」「Social(ソーシャルメディア)」「Referral(参照)」など、流入元(チャネルグループ)別にアクセス数を確認します。
・コンテンツ(ページ)別の流入分析
Google Analyticsで「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」レポートを開き、個々のコンテンツページのPV数やユーザー数を確認。どのコンテンツが最も集客力を持っているかを特定します。

ステップ3:CV(コンバージョン)への影響分析

Google Analyticsで「エンゲージメント」>「コンバージョン」レポートを開き、コンバージョンに至ったイベントの発生回数と、それに対応するセッション数を分析。コンテンツごとのコンバージョン率(CVR)を把握しましょう。

ステップ4:売上への影響分析

Google Analyticsの「収益化」>「eコマース購入」レポートと「経路データ探索」を組み合わせて、コンテンツページを閲覧したセッションが最終的にどのくらいの売上につながったかを分析。どのコンテンツが、最も収益性の高いユーザーを惹きつけているかを把握しましょう。

分析サイクルを継続的に回すことで、ECサイトのコンテンツマーケティングは、単なる「集客」だけでなく、売上向上に直結する強力なツールへと進化します。ぜひ以下のような取り組みをしてみてください。

・成果の高いコンテンツの特定
CVや売上貢献度の高いコンテンツを特定し、その成功要因(トピック、構成、表現方法など)を分析します。

・成果の低いコンテンツの改善
CVや売上貢献度が低いコンテンツは、滞在時間が短い、直帰率が高い、CTA(購入を促すボタン)が目立たないなどの課題がないか確認し、リライトや構成の変更を行います。

・新たなコンテンツの企画
分析で明らかになったユーザーの興味・関心や購買行動のパターンを基に、より効果的なトピックやフォーマットのコンテンツを企画します。

まとめ

ECサイトのコンテンツマーケティングを成功させる秘訣は、単に質の高いコンテンツを作ることだけではありません。顧客の心を掴み、最終的に売上につなげるための戦略的な思考と、継続的な改善が不可欠です。

徹底した「顧客理解」に基づくペルソナ設計や、目的とKPIに沿ったコンテンツの戦略的な制作、コンテンツを「資産」に変える運用と改善のサイクルを実践することが不可欠です。

そうすることで、ECサイトのコンテンツマーケティングは、単なる情報発信から、顧客との深い信頼関係を築き、最終的に売上を飛躍させる強力なビジネス戦略へと進化します。

ルビー・グループは、コンテンツマーケティングの戦略策定から、コンテンツ制作、効果測定、改善まで、一貫したサポートをご提供いたします。コンテンツを「集客」と「売上」につながる強力な資産へと育て上げるお手伝いをいたしますので、ぜひ気軽にご相談ください。

デジタルマーケティングサービス詳細リンクバナー デジタルマーケティングサービス詳細リンクバナー
もっと見る