Shopify×Criteo連携を最大化するためのフィード最適化と在庫制御

2025.07.23

2025.07.23

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Criteo(クリテオ)は、ユーザーの検索・行動履歴を元に広告を自動で配信できる、ダイナミックリターゲティング広告サービスです。

あらかじめ用意された商品データフィードから、ターゲットの行動履歴に合わせてクリック率・コンバージョン率の高いバナーを自動で最適化して表示。これにより高い広告パフォーマンスを実現しています。

本記事では、ShopifyとCriteo連携の基本構造から、よくある問題とその対策、広告費用対効果を高めるための商品フィード設計のポイントなどについて解説しています。

「ShopifyでECを構築し、Criteo広告を導入したが思ったように成果が出ない」とお悩みの方や、「ShopifyとCriteoの連携における、フィードの最適な管理方法について知りたい」という方はもちろん、「商品フィードを戦略的に最適化して、Criteo広告の広告費用対効果を上げたい」という方も、是非ご一読ください。

 ShopifyとCriteo連携の基本構造:商品フィードはどこからどう流れるのか

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Criteoの広告配信機能と、Shopifyのオンラインストアで収集した顧客データを組み合わせることで、効果的なリターゲティング広告を実現できます。ここでは、その基本構造について解説いたします。

データフィード広告とは、データフィード(自社の商品データを、広告配信先のフォーマットに変換・提供する仕組み)の技術を使って、ユーザーのサイト訪問履歴に合わせて動的に広告を生成・表示する手法を指します。

自社サイトにタグを設定し、訪問したユーザーのブラウザにCookieを付与することで、その後の訪問者の行動を追跡できる仕組みです。

「Criteo」は、データフィード広告のパイオニア的存在であり、広告配信先は、Google、Yahoo!、Facebook、goo、msn、食べログ、はてなブックマーク等々、トップのリーチを誇るリターゲティング広告のプラットフォームです。

このCriteo広告を効果的に活用するには、「商品フィード」の仕組みを理解し、適切に設定することが重要です。「商品フィード」とは、Shopifyで販売している商品情報(商品名・価格・商品画像・商品説明文・カテゴリ)などをリスト化、Criteoの広告配信に必要なフォーマットに変換したデータのことです。

たとえばShopifyで販売しているTシャツの商品情報を、Criteoの広告で表示する場合は各種商品情報が、Criteoが要求するフォーマットで記述されたデータである必要があるわけです。

この「商品フィード」を利用することで、商品1つ1つに対して、商品の画像とリンク先がセットになったバナーをCriteoが自動生成、ダイナミック配信します。

Criteo広告は、「商品フィード」から広告配信クリエイティブが自動生成されるため、常に最新の内容に更新しておく必要があります。「商品フィード」を常に最新にしておけば、ユーザーに対して正しい商品情報を届けることができ、広告の信頼性も向上。クリック率やコンバージョン率が高まり、広告の運用効果も最大化されます。

また、Criteoエンジンは、ユーザーの行動データと「商品フィード」の情報を組み合わせて、そのユーザーが興味を持ちそうな商品を予測し、広告を表示します。

具体的には、ユーザーがサイト上で閲覧した商品情報をCriteoが受け取ると、「商品フィード」の情報と突き合わせて広告表示すべきアイテムを選定。「商品フィード」に登録してある情報から、似た属性の商品など、そのユーザーが興味をもつであろう商品をレコメンドします。そのため「商品フィード」の内容が充実しているほど、この予測精度が高まります。

このように「商品フィード」は、「広告のクリエイティブを定義する」「レコメンドの精度を上げる」という2つの重要な役割を担っています。

なお、Shopifyの商品設定では、商品ごとにステータス(公開、下書き、アーカイブなど)や、販売チャネル(オンラインストア、実店舗、Amazonなど)を選択・管理できます。「商品フィード」を充実させるためには、これらの情報管理も重要になります。

よくある問題①:在庫ゼロの商品が広告に出てしまう

ShopifyでCriteo広告を利用している際に、在庫切れの商品が広告に表示されてしまう場合、Criteoの連携設定や商品フィードの確認が必要です。

具体的には、Criteoの管理画面で在庫状況を反映する設定が正しく行われているか、また、商品フィードに在庫切れの情報が正しく送信されているかを確認する必要があります。

そこで重要になるのが商品の在庫状況を指す商品フィードの「availability」です。Criteoの広告配信では、在庫状況が「available」 (在庫あり)の商品のみが広告に表示されるため、正確な在庫状況をCriteoのフィードに反映させることが重要になります。Shopify側で適切な在庫管理を行い、Criteoのフィードに連携することで、機会損失を防ぎ、効率的な広告配信が可能になります。

対応手順と確認ポイント

(1) Criteo管理画面での設定確認

Criteoの管理画面にログインし、連携しているShopifyの商品フィードが正しく設定されているか確認。在庫状況を示すフィールドが正しくマッピングされているか、また、在庫切れ商品を非表示にする設定が有効になっているかを確認しましょう。

(2)商品フィードの確認

Shopifyで生成された商品フィードをダウンロードし、Criteoに連携されている内容と一致しているか確認。在庫状況を示すフィールドの値が正しく反映されているか、また、在庫切れの商品に適切な値が設定されているかを確認しましょう。必要に応じて、商品フィードの生成設定を見直し、在庫切れ商品を正しく反映するように修正します。

(3) Criteoの広告設定

Criteoの広告設定で、在庫切れ商品を非表示にする設定が有効になっているかを確認。必要に応じて、Criteoの広告設定を修正し、在庫切れ商品を広告に表示しないように設定します。

なお、Criteoの広告は、一度サイトを訪れたユーザーに対して、関連性の高い商品を再表示するリターゲティング広告が中心なため、商品フィードの更新が遅れると、在庫切れの商品が広告に表示される可能性があります。

また通常は、Shopifyの商品データが変更されたほぼリアルタイムで、Criteoの商品フィードも自動的に更新されますが、ShopifyとCriteoの連携状況や、Criteo側の設定によっては、フィードの反映に遅延が発生する場合があります。さらに、大量の商品データ変更や、ネットワークの状況によっては、フィードの反映に時間がかかる場合があります。

Criteo側でフィードの更新頻度を設定することができ、またShopifyからのデータ変更をどの程度の頻度で取得するかを調整できますので、確認してみてください。

よくある問題②:テスト商品や社内チェック用商品が広告に掲載される

Shopify で公開前の商品を編集したり、在庫切れやキャンペーン期間外など一時的に商品を非公開にしたい場合に「下書き」の機能を使い、商品を非公開の状態に設定できます。

下書き状態の商品ページは、オンラインストアでは表示されませんが、ShopifyでCriteo広告を利用している際に、「下書き」状態から一時的に公開するフローで広告に出てしまうケースがあります。その場合は、以下の方法で解決できます。

①Criteoマネージャー(管理画面)で商品単位の除外をする

Criteoの管理画面では以下の方法で 「キャンペーン除外」設定が可能です。
(1)Criteoアカウントにログイン
(2)[商品] メニューへ移動
商品ID一覧やパフォーマンスレポート画面で対象商品を検索。
(3)対象商品IDを確認
(4)サポート担当者へ依頼
→ 管理画面上で自力による設定ができない場合が多いため、商品単位の除外は担当者(AM/CS:Account Manager/Customer Success)への依頼が一般的です。

Criteoの担当者(AM/CS)は、ビジネス目標や状況に応じて、最適な除外設定を提案し、設定のサポートを行います。除外設定について不明な点や、設定方法がわからない場合は、Criteoの担当者に相談してみましょう。

②除外用のカスタムラベルを活用する方法

Criteoの広告配信で特定の商品の配信を停止したい場合、Google Shoppingと同様に、商品フィードに除外用のカスタム属性(例:custom_label=exclude_criteo)を追加し、配信を停止したい商品のカスタム属性に「true」を設定します。変更した商品フィードをCriteoに再アップロードすれば、Criteoはその商品を広告配信から除外します。

運用チームが、カスタムラベルを除外フィルタに設定できる場合に有効です。
なお、この方法を実施する場合は、以下の点に注意してください。

・カスタム属性の名前は、Criteoの仕様に合わせて適切なものを選択
・除外設定を行う際は、配信を停止したい商品と、配信を継続したい商品を明確に区別

ポイント

Shopify連携の場合、商品が公開状態であればフィードに含まれることが多いため、サイトに導線を引いていない場合でも広告に反映されてしまいますので、事前に対策が必要です。

Criteoサポートチームに「特定商品IDを除外したい」と依頼すると、最短で対応してもらうことが可能です。

なお、過去に除外設定した商品は、新規投入やフィード更新で復活する場合があるため、定期的な除外リスト管理が必要となります。

ROASを高めるための商品フィード設計:“売るため”のフィード最適化とは

Criteoは、ユーザーの行動履歴に基づいて広告をパーソナライズするため、商品データフィードの品質が広告効果に大きく影響します。具体的には、商品情報の正確性、詳細さ、魅力的な画像、適切なカテゴリ分けなどが求められます。

ここでは、ROAS(広告費用対効果)を最大化するための、商品フィード設計における重要なポイントについて解説いたします。

項目には値を可能な限り追加する

Criteoのようなデータフィード広告は、連携により得た商品情報を元に広告エンジンが機械学習を行い、ターゲットに対して最適な商品をレコメンドをします。そのため、エンジンにできるだけ多くの情報を送信することが、成果改善において重要です。商品データフィードの各項目に、できる限り多くの情報を入力し、Criteoの広告効果を最大限に高めましょう。

エラーは最小限に抑える

媒体の仕様で必須とされている項目に値が入っていない場合など、媒体側でエラーが発生することがあります。エラーが発生すると、不承認になって商品が掲載がされなかったり、掲載が制限されることがあります。広告配信の品質を保つためにも、エラーは最小限に抑えるように努めましょう。

商品タイトル・説明・カテゴリを最適化する

ShopifyのCriteoでの ROASを最大化するには、商品タイトル・説明・カテゴリを最適化することも重要です。

商品タイトル
・ブランド名や製品名の他、色やサイズなど製品の特徴を表す情報を登録する
・検索語句と一致しやすい語句を登録する
・商品名の先頭に重要な語句を登録する
上記のように、検索キーワードを含め、簡潔で分かりやすく、魅力的にすることが重要です。

商品説明
商品フィードの商品説明は、ユーザーの興味を引き、クリック率やコンバージョン率を高める上で非常に重要です。詳細で正確な情報を提供し、商品の特徴やメリットの具体的な記述や、顧客の疑問を解消するような記述を心がけましょう。

商品カテゴリ
ShopifyのCriteoフィードでは、商品カテゴリを3階層まで設定可能です。具体的には、product_type項目に「>」区切り文字で階層を表現します。「aaaa > bbbb > cccc」のように記述することで、3階層までのカテゴリを設定できます。

「アパレル > レディース > ワンピース」のように詳細なカテゴリを設定することで、ユーザーの興味関心に合致する商品を効率的にターゲティングできます。

フィードの優先順位を設定する

Criteo広告で表示する商品の選択や、表示する商品のカテゴリの優先順位などを設定することができます(特定のカテゴリの商品は表示しないようにも設定できます)。高利益商品、新着商品、在庫状況などを考慮して、表示する商品やカテゴリを最適化しましょう。

まとめ

Criteoは、高性能な広告エンジンと、蓄積された膨大なデータを基にした独自のアルゴリズムにより、「カートに入れたものの購入に至っていない商品の広告を表示する」といった、ユーザーの行動履歴に応じてパーソナライズした広告を適切に配信します。

そのため、コンバージョンアップが大いに期待できる広告を配信することが可能になります。

ただし、ShopifyとCriteoの連携を最適化するには、Criteoタグの適切な設定、データフィードの最適化、そしてCriteoの広告配信設定の調整が重要です。

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ShopifyとCriteoの連携や、広告配信の最適化などについてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

ルビー・グループ コーポレートサイトチーム

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