
本記事では、ECサイトの成長段階に合わせて必要なMA(マーケティングオートメーション)ツールの機能と選び方を提示するとともに、MAツールが「顧客との関係性を深化させるためのツール」であることを解説しています。
「ECでMAツールを使うと、具体的にどのような施策が自動化できるのか知りたい(ステップメール、カゴ落ち対策など)」「導入にかかる費用の目安や、具体的な成功事例を知りたい」という方はもちろん、「CRM、SFAなどの他のシステムとMAツールとの連携方法や、役割分担を明確にしたい」という方も、ぜひご一読ください。
ECサイトにMAツールが必要な理由と導入メリット

ECサイトにMAツールが必要な理由
ECサイトでは、訪問者は多様な経路(Webサイト、メール、SNS、広告など)を経て購買に至ります。この複雑なプロセスにおいて、手作業では対応しきれない課題をMAツールが解決します。
顧客育成(ナーチャリング)の自動化
・カゴ落ち対策
カートに商品を入れたまま離脱したユーザーに対し、自動でリマインドメールを送信するなど、購買意欲が高い見込み客(ホットリード)を逃さない
・リピーター育成
初回購入後のフォローアップや、一定期間アクセスがない休眠顧客への再訪を促すメッセージ配信を自動化し、LTVの最大化を目指す
パーソナライズしたアプローチ
顧客の閲覧履歴、購買履歴、興味関心度(スコアリング)に応じて、一人ひとりに最適化した商品レコメンドやキャンペーン情報を配信し、エンゲージメントと購買意欲を高める
業務効率化とコスト削減
メール配信、リスト管理、データ分析、施策の効果測定といった一連のマーケティング業務を自動化・効率化することで、担当者の工数を大幅に削減し、より戦略的な業務にリソースを集中できるように
データに基づいた施策の最適化
施策の実行と効果測定(メール開封率、クリック率、購買率など)を自動で行い、どの施策が最も効果的であったかをデータで可視化。これにより、勘や経験に頼らず、継続的にマーケティング戦略を改善することが可能に
ECサイトへのMAツール導入メリット
MAツールを導入することで得られる具体的なメリットは、多岐にわたります。
売上・LTVの向上
適切なタイミングでパーソナライズされた情報を提供することで、カゴ落ち防止、リピート購入、アップセル・クロスセルが促進され、顧客一人あたりの生涯価値(LTV)を最大化
マーケティングの効率化
メールやLINEなどのマルチチャネルでのアプローチ、顧客データ管理、効果測定レポート作成などの定型業務が自動化され、人的コストが削減可能に
顧客体験(CX)の向上
顧客の行動に基づいたタイムリーで関連性の高い情報が届くため、「自分を理解してくれている」という信頼感が生まれ、顧客ロイヤリティが向上へ
ボトルネックの特定
顧客のサイト内行動や施策への反応がデータとして蓄積・分析されるため、どこで顧客が離脱しているか、どの施策が不十分かを明確にし、改善点を迅速に特定可能に
情報の一元管理
顧客情報、行動履歴、購入履歴などをMAツール内で一元管理できるため、部門間や担当者間での情報共有がスムーズになり、属人化を防止へ
以上のことから、MAツールは、特に顧客数が増え、手動での対応が難しくなってきたECサイトや、既存顧客のリピート率やLTV向上を重視したいECサイトにとって、非常に強力な武器となります。
ECの売上を加速させるMAツールのコア機能と活用シナリオ
MAツールは、「適切な顧客に(誰に)」「適切な情報を(何を)」「適切なタイミングで(いつ)」「適切なチャネルで(どのように)」を自動で提供し、購入やリピートへと導きます。以下では、ECの売上を加速させるMAツールのコア機能と活用シナリオを、具体的にご紹介します。
MAツールのEC売上加速のためのコア機能
ECサイトの売上向上に直結する、MAツールの核となる機能は以下の4つです。
1. 顧客データ統合・セグメンテーション
閲覧履歴、購買履歴、会員情報、メール反応率など、顧客にまつわるあらゆるデータを一元管理し、共通の属性や行動パターンを持つグループ(セグメント)に分類する機能
⇒施策のターゲットを絞り込み、パーソナライズの精度を高める
2. 行動トリガー・シナリオ作成
「カートに商品を入れた」「特定ページを3回見た」「半年間購入がない」といった顧客の行動(トリガー)を検知し、あらかじめ設定したアクション(メール送信、プッシュ通知など)を自動で実行する機能
⇒手動では不可能なタイムリーなアプローチを実現
3. リードスコアリング
顧客のサイト内行動や施策への反応(メール開封、商品閲覧、購入など)に基づき、購買意欲の高さ(ホットリード度)を点数化(スコアリング)する機能
⇒特に購買意欲が高い顧客を特定し、優先的にアプローチ
4. 効果測定・分析レポート
配信したメールの開封率、クリック率、それによる売上貢献度などを自動で計測・分析し、施策のPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回すためのレポートを作成する機能
⇒どの施策が売上に貢献したかを可視化し、次の戦略を最適化
売上を加速させる活用シナリオ(目的別)
MAツールを使えば、上記のコア機能を組み合わせることで、手動では実現できない高精度なマーケティングを展開できます。
離脱防止・新規顧客の初回購入促進シナリオ
新規顧客や初回訪問者が離脱しやすいポイントをフォローし、確実に購入へ導きます。
カゴ落ちフォロー
【トリガー】 ログインユーザーが商品をカートに入れたまま2時間以内に購入せずに離脱
【アクション】 カートの中身を記載したリマインドメールを自動送信
【効果】 購買意欲の高い顧客を逃さず、購入完了率を大幅に向上
サイト初回離脱防止
【トリガー】 新規登録後、特定の商品カテゴリページを3回以上閲覧したが、3日以内に購入がない(スコアが低い)
【アクション】 そのカテゴリの人気ランキングや活用事例を自動でメール配信
【効果】 商品への興味を喚起し、サイトへの再訪と初回購入を促進
LTV(顧客生涯価値)最大化・リピート促進シナリオ
既存顧客との関係を維持・強化し、休眠顧客を掘り起こしてリピート購入を増やします。
再購入促進(消耗品)
【トリガー】 前回購入した消耗品(例:サプリ、コンタクト)の使用期限が切れる1ヶ月前に自動でタイマーを設定
【アクション】 「在庫は大丈夫ですか?」という再購入を促すパーソナライズメールを配信
【効果】 顧客の手間を省き、継続的な購入サイクルを自動で構築し、LTVを向上
休眠顧客呼び戻し
【トリガー】 最終購入日から6ヶ月以上アクセス・購入がない「休眠顧客」セグメント
【アクション】 特別クーポン付きの限定オファーを配信し、3日後に開封・クリックがなければ、LINEなどの別チャネルで再通知
【効果】 低下したエンゲージメントを復活させ、潜在的な売上を掘り起こし
エンゲージメント強化・ロイヤリティ向上シナリオ
顧客の特別な日やステータスに応じたきめ細やかな対応で、顧客ロイヤリティを高めます。
誕生日・記念日特典
【トリガー】 登録されている誕生日(または入会記念日)の1週間前
【アクション】 誕生月限定の特別割引コードや限定商品を案内するメールを自動送信
【効果】 顧客体験を向上させ、「大切にされている」と感じてもらい、ブランドへの愛着(ロイヤリティ)を強化
購入後のステップメール
【トリガー】 商品Aを購入した直後
【アクション】 1日後:お礼メール、3日後:商品の使い方TIPS、7日後:関連商品(クロスセル)の紹介
【効果】 顧客満足度を高め、商品の利用を促進しつつ、次の購入機会を自然に創出
これらのシナリオを自動で実行・改善していくことで、ECサイトの売上を加速させることが可能になります。
失敗しない!ECサイト向けMAツールの選定基準
ECサイト向けMAツールを選定する際の基準には、単なる機能比較にとどまらず、「自社の運用体制と目標に合致しているか」という視点が非常に重要になります。ECサイト特有の課題解決に重点を置きつつ、失敗しないための主要な選定基準を5つの視点からご紹介します。
(1)必要な機能とEC連携の柔軟性(機能レベルと連携性)
MAツールは多機能ですが、ECサイト運営においては特に以下の機能が充実しているかを確認しましょう。
EC特化型機能の有無
・カゴ落ちメール:カート離脱時に商品情報を自動挿入して配信できるか
・レコメンド機能:閲覧・購入履歴に基づき、メールやサイト上で適切な商品を提案できるか
・RFM分析・LTV分析:顧客を「最終購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」でセグメントし、LTVを計測できるか
既存システムとの連携性
現在利用しているECプラットフォーム(Shopify、MakeShop、EC-CUBEなど)や、基幹システム(CRM/SFA)とシームレスにデータ連携ができるか(連携にカスタマイズが必要な場合は、そのコストと工数を確認する必要があります)
対応チャネル
メールだけでなく、LINE、アプリプッシュ通知、Web接客(サイト上のポップアップなど)といった、顧客がよく利用するチャネルに対応しているか
(2)費用対効果と自社の規模(コストとスケーラビリティ)
MAツールの費用は、主に「リード数(顧客データ件数)」「利用機能」「メール配信数」などによって変動します。
料金体系の確認
初期費用とランニングコスト(月額費用)が、自社の予算と合っているか
リード数やPV数に応じた従量課金の上限を把握し、売上成長に伴うコスト増が妥当か
自社のステージとの適合性
年商1億円未満など比較的小規模なECサイトであれば、操作性が良く、比較的安価な低〜中価格帯のツールから選定し、費用対効果を重視する
大規模ECサイトであれば、大量データ処理のパフォーマンスや、高度なセキュリティ機能、詳細なカスタマイズ性を持つ高機能ツールを選ぶ
(3)操作性と運用体制(使いやすさとリソース)
MAツールは導入するだけでなく、使いこなせなければ意味がありません。
UI/UX(操作性)
シナリオ設定画面、メール作成画面、分析レポート画面などが直感的で、担当者がすぐに使いこなせるデザインになっているか。トライアル期間を利用して実際に操作感を確認する
必要なノウハウと人材
高度な機能を使うには専門的な知識が必要な場合も。自社内にMA専任の担当者を確保できるか、あるいはベンダーのサポートに頼るか、運用体制を明確にしておく必要がある
(4)ベンダーのサポート体制(支援と知見)
特にMAツールを初めて導入する場合、ベンダーのサポートは成功を左右します。
サポートの質と範囲
導入時の初期設定サポートがあるか、ツールの操作だけでなく、「どうすればECの売上が上がるか」というマーケティング施策に関するコンサルティングやノウハウ提供を受けられるか(カスタマーサクセス)
ECサイトの運用経験が豊富なベンダーであるか(他社の成功事例だけでなく、自社で成功させるための具体的な情報を提供してくれるベンダーを選ぶ)
(5)セキュリティと安定性(信頼性)
顧客の個人情報や購買履歴といった機密性の高いデータを扱うため、セキュリティは最重要項目の一つです。
個人情報保護のための体制(プライバシーマークやISMSなどの認証)が整っているか。また、システムの安定稼働実績、障害発生時の対応体制なども要確認。
まずは「MAツールで解決したい最も大きな課題(例:カゴ落ち率の改善、リピート率の向上など)」と「現時点でのECサイトの年間売上規模」を明確にし、それに合った機能レベルとコストのツールに絞り込むことから始めることをお勧めします。
ECサイトにおすすめの主要MAツール紹介
それでは次に、さまざまなECサイトにおすすめの主なMAツールをご紹介いたします。
Karte(カルテ)
分類(カテゴリー)
従来のメール配信中心のMAツールというよりも、リアルタイムデータ解析とWeb・アプリ内での顧客体験改善に特化した「CDP/CX(カスタマーエクスペリエンス)プラットフォーム」と位置づけられます。
CDP(Customer Data Platform:顧客データプラットフォーム)
リアルタイムに収集した顧客の行動データを統合・分析する基盤としての機能
Web接客ツール / MA(マーケティングオートメーション)ツール
統合したデータを基に、Webサイト上やアプリ内でパーソナライズされた接客(ポップアップ、チャット、バナー、プッシュ通知など)や、メール配信などのマーケティングアクションを自動で実行する機能
主な特徴と強み
『Karte(カルテ)』の最大の特徴は、「リアルタイム解析」と「サイト上での接客」にあります。
リアルタイムでの「顧客理解」
・データの一元化と可視化
顧客が「今、サイトのどこにいて」「何を考え、何に困っているのか」を、ログデータ(閲覧、クリック、マウスの動きなど)からリアルタイムで解析・可視化
・「今」に合わせたアクション
リアルタイム解析により、顧客の行動や状態が変化した瞬間に、最適なメッセージやコンテンツを配信する「瞬間的なパーソナライズ」を可能に
Webサイト上での「パーソナライズされた接客」
・多様な接客チャネル
メールだけでなく、Webサイトやアプリ上にポップアップ、チャット、インラインバナー、プッシュ通知など、多様な形式でメッセージを表示
・豊富なテスト機能
配信したメッセージの効果を測るA/Bテストや多変量テストの機能が充実しており、施策のPDCAサイクルを高速で回すことが可能
データとアクションの統合
Web/アプリの行動データだけでなく、CRMや広告データなども統合し、全チャネル・全データに基づいた施策実行が可能(例:実店舗での購入履歴がある顧客には、オンライン限定のクーポンをサイト上で表示する)
向いているECサイト
『Karte(カルテ)』は、その機能と費用感から、特に以下のようなECサイトに向いています。
顧客数・トラフィックが比較的多い中〜大規模ECサイト
・大量のデータ処理能力
大量のリアルタイムデータを処理する設計になっているため、月間のトラフィック(PV/UU)が多いサイトで、その真価を発揮
・高レベルのパーソナライズ
顧客一人ひとりの行動を細かく分析し、高精度なパーソナライズを実現したい、LTV向上に積極的な企業に向いている
Web接客とCX(顧客体験)を重視するECサイト
・カゴ落ち対策の強化
離脱しそうな顧客をリアルタイムで検知し、サイト上で最適なオファー(クーポン、送料無料など)を提示することで、購入率を最大化したい場合
・実店舗やアプリとの連携
オムニチャネル戦略を推進しており、オンラインとオフラインのデータ統合を図り、一貫した顧客体験を提供したいEC事業者
マーケティング担当者のリソースを確保できるECサイト
・ツールを使いこなす体制
高機能なぶん、分析や施策設計に専門的な知見が必要となる場合があるため、専任のマーケティング担当者、または外部のコンサルタントを利用する予算と体制を確保できるECサイトに向いている
Braze
分類(カテゴリー)
『Braze』は、主に以下のカテゴリに分類される、マルチチャネル・エンゲージメントに特化したプラットフォームです。
CEP(Customer Engagement Platform:顧客エンゲージメントプラットフォーム)
顧客との関係構築とロイヤリティ向上に焦点を当てたツール
マルチチャネルMA(マーケティングオートメーション)
単なるメール配信だけでなく、アプリプッシュ通知、SMS、Webサイト上のコンテンツ、LINE、In-App Message(アプリ内メッセージ)など、多様なチャネルを統合して、一貫したメッセージを自動で提供
CDP機能の一部統合
厳密なCDPとは異なるが、顧客の行動データや属性データを統合し、リアルタイムでのセグメンテーションとパーソナライズに活用
主な特徴と強み
『Braze』の最大の特徴は、「モバイルとリアルタイム性」と「クロスチャネルでの柔軟な連携」です。
モバイル・アプリエンゲージメントへの特化
・強力なモバイル機能
アプリのプッシュ通知、アプリ内メッセージ、コンテンツカード(アプリ内のお知らせ)、ディープリンクなど、モバイルアプリユーザーとのコミュニケーション機能が充実
・リアルタイム性の追求
顧客がアプリを開いた、特定の商品を閲覧したといった「今」の行動をトリガーとして、即座にメッセージを配信でき、高い即効性を実現
クロスチャネル(マルチチャネル)の統合
・一貫した体験の提供
顧客の行動履歴や属性に基づき、メールで反応がない場合はプッシュ通知へ切り替えるなど、チャネルを横断したシームレスなコミュニケーションを自動で設計(例:カート落ちリマインドをメールで送り、開封されなければ2時間後にアプリプッシュ通知を送信)
・キャンバス(Canvas)によるフロー設計
直感的なUIを用いて、複雑な顧客ジャーニーやマルチステップのエンゲージメントフローを簡単に設計・自動化
高い拡張性と外部連携
・API連携
外部のCRM、BIツール、広告プラットフォームなどとの連携を柔軟に行えるAPI(Application Programming Interface)が充実、企業独自のシステム構築にも対応しやすい
向いているECサイト
『Braze』は、特に以下のような特徴を持つECサイトに向いています。
アプリを戦略的に活用しているECサイト
・アプリが主要な収益源
アプリからの購入や再訪が売上に大きく貢献しており、アプリユーザーのエンゲージメントとリテンション(維持)を最重要視している事業者
・パーソナライズされたアプリ体験
顧客の行動に基づいたアプリ内バナーやメッセージの出し分けを行い、アプリ体験を最適化したいケース
大量の顧客データとトラフィックを扱う大規模ECサイト
・スケーラビリティ
大規模なユーザーベースを持ち、膨大な量のリアルタイムデータを安定して処理し、数百万単位のメッセージを瞬時に配信する必要がある企業
・グローバル展開
海外展開を行っており、複数言語、複数のタイムゾーンに対応したグローバルなマーケティング基盤が必要な企業
オムニチャネル戦略を推進しているECサイト
Web、アプリ、実店舗、SNSなど、複数の顧客接点を持っており、これらすべてのチャネルで一貫したパーソナライズされたメッセージを提供し、LTVを最大化したい企業
なお『Braze』は高機能であるため、導入には相応の予算と、その機能を最大限に活用できる専門知識を持った運用チームが必要となるのでご注意ください。
SATORI
分類(カテゴリー)
『SATORI』は、純粋な国産MA(マーケティングオートメーション)ツールとして分類され、その機能の汎用性の高さから、ECサイトや一般企業でのリード獲得・育成にも幅広く活用されています。
リードナーチャリング(見込み顧客育成)ツール
顧客の獲得から育成、そして購買へと導く一連のプロセスを自動化・効率化することに特化
名寄せ・匿名ユーザー追跡型MA
特に、匿名ユーザー(まだ氏名やメールアドレスを登録していないサイト訪問者)の行動を追跡し、その情報を可視化・活用できる点が大きな特徴
主な特徴と強み
『SATORI』の主な特徴は、「匿名ユーザーの追跡機能」と「国産ツールならではの使いやすさ」です。
匿名ユーザーの可視化とアプローチ
・実名化前の接客
メールアドレスなどの個人情報を登録していない匿名ユーザーのサイト内行動履歴(どのページを見たか、何回訪問したか)を可視化
・Webプッシュ通知機能
匿名ユーザーに対しても、ポップアップやWebプッシュ通知を通して直接アプローチを行い、サイトへの再訪や会員登録を促すことで、見込み客の「取りこぼし」を防止
使いやすさと国内サポート
・直感的なUI/UX
日本製であるため、インターフェースや操作画面が日本の担当者にとって直感的でわかりやすい設計に
・手厚いサポートとノウハウ
導入時の支援や、MAツール運用のための**日本語での豊富なノウハウ(セミナー、マニュアル)が提供、MAツール初心者の企業でも安心して運用を始めやすい環境がある
多様なアクション実行機能
・Web接客機能
匿名ユーザー・実名ユーザー問わず、サイトの訪問履歴や属性に応じて、ポップアップやインラインバナーなどのWeb接客を簡単に設定・実行可能
・シンプルで強力なシナリオ
複雑なプログラミング知識を必要とせず、顧客の行動をトリガーにしたメールやWeb接客の配信シナリオを直感的に作成可能
向いているECサイト
『SATORI』は、特に以下のような特徴を持つECサイトに向いています。
サイト訪問者の「離脱対策」を重視するECサイト
・新規リード獲得の強化
まだ会員登録やメール登録に至っていない匿名ユーザーを早期にフォローし、接点を持続させたい事業者
・Webプッシュ通知の活用
顧客の個人情報を取得する前に、Webプッシュ通知という手軽なチャネルで再訪を促す仕組みを構築したい
MAツールの「導入」と「運用」をスムーズに行いたいECサイト
・MAツール初導入
MAツールを初めて導入し、専門知識が少ない担当者でも自走できる体制を構築したい企業(国内での導入実績が豊富で、導入後のサポートが充実している点を重視する場合)
・低コストでスモールスタート
外資系や大規模ツールと比較して、コストを抑えてMAを始めたい中小〜中堅ECサイト
シンプルな機能で成果を出したいECサイト
・機能が多すぎるのを避けたい
高度なCDPや大規模なAPI連携よりも、「匿名ユーザーの実名化」と「顧客育成」といった核となるマーケティング活動にシンプルに集中し、早期に成果を出したい事業者
Pardot
※現在は「Salesforce Marketing Cloud Account Engagement」に名称変更

分類(カテゴリ)
『Pardot』は、以下のカテゴリに分類されるリードナーチャリング(見込み顧客育成)に特化したMAツールです。
B2B向けMA(マーケティングオートメーション)ツール
リードの獲得から、商談確度を高めて営業部門へ引き渡すまでのプロセスを自動化することに特化、B2Bマーケティングに適している
CRM連携強化型MA
世界トップシェアのSalesforce CRM(顧客関係管理システム)とシームレスに連携することを最大の前提として設計
主な特徴と強み
『Pardot』の最大の特徴は、「Salesforce CRMとの強固な連携」と「営業連携を意識したリード管理」にあります。
Salesforce CRMとの完全な連携
・データの一元化と共有
『Pardot』で収集育成したリード情報(閲覧履歴、スコア、興味関心など)が、リアルタイムでSalesforce Sales Cloud(営業支援システム)と共有
・SFA(営業支援)との融合
マーケティング部門が育成した質の高いリードを、最適なタイミングで営業部門に自動で引き渡す(リードクオリフィケーション)ことが容易になり、マーケティングと営業の連携(マルケト・セールス連携)強化を可能に
リードスコアリングとグレーディング
Webサイトの行動履歴やメールの反応、属性情報などに基づき、リードの興味度を測るスコアリングと、リードの質(属性)を測るグレーディングを組み合わせ、優先度の高いリードを正確に特定可能
ROI(投資対効果)の可視化
・高度なレポーティング
どのマーケティング施策(メール、ランディングページ、広告)が最終的な受注や売上に貢献したかを追跡し、マーケティング投資のROI(投資収益率)を明確に把握・報告
B2B的なリード育成機能
リードの行動に合わせてメールを配信するシナリオ(ナーチャリング)を、直感的なインターフェース(ドラッグ&ドロップビルダーなど)で容易に作成・自動化が可能
向いているECサイト
『Pardot』は本質的にはB2B向けですが、ECサイトでは以下のような特徴を持つ企業に向いています。
Salesforce CRM/Sales Cloudを導入しているECサイト
・既存インフラの活用
既にSalesforceをCRMやSFAとして利用しており、その顧客データ(購入履歴、サポート履歴など)とMAデータを完全に統合することで、施策の精度を極限まで高めたい企業
・B2B要素を持つEC
法人向け販売(B2B-EC)や、高額で検討期間の長い商材(例:産業機器、特定の専門性の高い商材)を扱うECサイトを展開し、「見込み客の育成」や「営業フォローとの連携」が重要となる事業者
LTV最大化と顧客セグメンテーションを高度化したいECサイト
・複雑なデータ分析
顧客の行動履歴に加え、CRM内の顧客ランクや購買データを活用して、高度にパーソナライズされたメールやリピート施策を実行したい場合
・成果の可視化
マーケティング施策が最終的な売上にどれだけ貢献したか(マルチタッチアトリビューション)を、ROIベースで厳密に追跡・評価したい企業
高度な運用体制と予算を確保できるECサイト
比較的高価なツールであるため、機能を使いこなすための専任担当者やコンサルティング費用を確保できる、大規模なエンタープライズECサイトに適している
まとめ
MAツールは、ECサイトにおける顧客の行動データに基づいて、適切なタイミングで最適な情報提供を自動で行うことで、One to Oneマーケティングを実現し、購入率やLTV(顧客生涯価値)の最大化に貢献します。
そのためMAツールの導入により、顧客の購買行動の多様化と複雑化に対応し、限られたリソースで効率的に売上と顧客ロイヤリティの向上を目指すことが可能になります。
ルビー・グループは、単にMAツールをインストールするだけでなく、ECサイトの豊富な運用実績に基づき、「ツール導入」から「売上アップに繋がる戦略的な活用」まで一気通貫でサポートすることが可能です。
自社ECサイトへのMAツール導入を検討されていましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
ルビー・グループ コーポレートサイトチーム
各分野の現場で活躍しているプロが集まって結成されたチームです。
開発、マーケティング、ささげ、物流など、ECサイトに関するお役立ち情報を随時更新していきます!



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