
ECのカスタマーサポートとは、お客様からの要望や問い合わせに答えることを指します。
お客様との貴重なコミュニケーションの場でもあり、ECサイト運営において重要な業務の一つです。
本記事では、ECサイトのカスタマーサポートの重要性や注力すべき点だけでなく、おすすめのツールや代行サービスなどもご紹介しています。
「カスタマーサポートの品質を高めたい」というECサイト運営者の方はもちろん、業務改善につながるツールや、専門の代行会社をお探しの方も、ぜひご一読ください。
ECサイトにおけるカスタマーサポートのあり方
インターネット上には数多くのECサイトが存在し、似たような商品も数多く販売されています。
そのため消費者の多くは、商品自体の値段や質に加えて、「どのような購入体験ができるか」という点も重視して、ECサイトを選択するようになりました。
カスタマーサポートにより心地よい購入体験を提供をすることも、顧客満足度を上げていく重要なポイントといえます。その中で、ECサイトのカスタマーサポートは、電話やメール、チャットなどからきたお客様からの問い合わせを解決する役割を担っています。
お客様からの不満や要望などの意見をダイレクトに取り入れる絶好の機会と捉え、それらのご意見・ご要望などを反映した商品やサービスの提供をすれば、顧客の満足度やブランドイメージの向上につなげることができます。
また、ECサイトの訪問者や、商品を購入したお客様の疑問や不満などに、カスタマーサポートが迅速・丁寧に対応をすることで、ECサイトの評価やブランドイメージ向上にもつながります。
「いつも電話がつながりにくい」「メールで問い合わせても返信がない」といった対応の悪さは、ECサイトのみならず、商品やサービス全体の品質として顧客に受け取られてしまいます。悪い口コミほどSNS等を通じて早く・広く伝わってしまう性質があるため、注意が必要です。
カスタマーサポートは売上に大きな影響を与える重要な役割と捉え、サービスのクオリティ向上を目指しましょう。
カスタマーサポートの主な業務内容
それでは、ECサイトのカスタマーサポートにはどんな業務内容があるのか、具体的に見ていきましょう。
サイト操作方法の問合せ
オンラインショッピングに不慣れな方や、パソコンやスマホ操作が苦手な高齢のお客様など、ECサイトでは様々なお客様から問い合わせがあります。このようなサイトの操作方法の問合せに対して、注文方法・商品検索方法などをお答えするのも、カスタマーサポートの重要な業務です。
丁寧に操作方法をサポートすることで、売上やブランドイメージの向上につなげましょう。
商品問合せ
お客様が興味を持った商品について、さらに知りたいと感じた時に発生するお問い合わせです。
お客様の疑問や不安を上手に解決できれば、ダイレクトに商品注文に繋がる可能性があります。
お問い合わせをしてくる方は優良な見込み客ですが、返答に時間がかかるほど競合サイトに流れてしまいがちです。ビジネスチャンスを逃さないために、迅速な対応が必要になります。
イレギュラー注文対応
高齢のお客様やオンラインショッピングに不慣れなお客様などの場合、電話・メール・FAXなど、ショッピングカート以外からの注文を希望するケースは少なくありません。こうしたイレギュラーな注文方法に対応するのは労力が必要ですが、きちんと対応することで売上アップに繋がります。
配送方法の問合せ
商品を購入されたお客様からの「配送状況の確認」「配送日時の確認」などのお問い合わせに対する回答業務です。商品発送後に「お届け日時を変えて欲しい」などの要望が来ることもあるので、配送会社と連携しながら対応することが求められます。
住所確認
商品を購入されたお客様の住所の記入間違いなどが原因で、「購入者へ連絡を取ってほしい」と配送業者からの問い合わせが入るケースは少なくありません。 この場合、購入されたお客様に「住所に間違いがないか」「改めて住所を確認させてもらいたい」と、電話で確認するのが一般的です。
返品・交換対応
商品の返品希望されるお客様への対応や、初期不良品などによる商品の交換対応も重要な業務です。
すでに代価を支払っているお客様からのお問い合わせですので、対応を誤るとクレームにつながります。回答や手順をマニュアル化するなど、万全な対応をするよう心がけましょう。
顧客情報管理
いつ、どの商品を購入し、前回どのようなやり取りをしたのかを記録する顧客管理は、ECサイト運用において非常に重要な業務です。事業規模が小さい場合はエクセルやスプレッドシートで顧客情報を管理し、規模が大きくなった場合は専用の管理ツールを利用しましょう。こうしてお客様から詳細なご要望などが得られれば、クロスセルやアップセルなどの施策に利用することが可能です。
ECサイトのカスタマーサポートで注力すべき内容
カスタマーサポートを充実させるためには、どの点に注力すべきかを解説いたします。
カスタマーサポート体制の整備
どのスタッフがお客様からの問い合わせなどに対応しても、一定の品質を保つことができるよう、日々の教育や研修をしっかり行い、体制を整えていくことは必要不可欠です。またその場で解決できなかった場合の確認先を明確にするなど、お客様からの問い合わせに迅速に対応するための経路を確立しておきましょう。
Q&Aのテンプレート化
お客様からの問い合わせに対し、明確かつ時間をかけずに答えるために、回答をテンプレート化することは重要です。返信内容をその場で考える必要がなく、また逐一社内の関係部署などに確認する必要もないので、カスタマーサポートスタッフの負担を軽減することもできます。
FAQページの充実
ECサイトにFAQ(Frequently Asked Questions)ページを設置し、よくある質問とその回答を掲載するのは必須条件です。これによりお客様ご自身で疑問点を解決することができるため、店舗に問い合わせをする負担を軽減できるというメリットを提供できます。またECサイト運営者側も、問い合わせ対応の手間が減り、重要なお問い合わせに対してリソースをかけられるというメリットがあります。
情報の社内共有と活用
お客様から寄せられた意見などの情報を参考に、しっかりと商品やサービスの改善を行うことで、顧客ニーズに応える商品やサービスを提供することが可能になり、顧客満足度向上につなげることができます。カスタマーサポート経由でお客様から寄せていただいた要望や不満を単なるクレームとして扱うのではなく、貴重な情報としてサイト運営に関わるスタッフ全員で共有しましょう。
サポートツールの活用
カスタマーサポート業務で「業務が属人化している」「対応の漏れ・遅れが多い」といった課題を抱えている場合、カスタマーサポートツールの導入をおすすめします。 カスタマーサポートツールとは、お客様からのお問い合わせ対応業務を効率的に進めるためのサービスです(詳細後述)。
たとえば複数チャネル(電話、お問い合わせフォーム、E-mail、SNS、チャットボットなど)の問い合わせを集約したり、顧客データベースと過去の応対履歴を紐づけるなどして、チーム内で共有、閲覧できる機能などがあります。
こうしたサポートツールを導入・活用することで、 「顧客からの問い合わせ対応の効率化」「顧客対応のマニュアルを共有できる」ため、顧客満足度向上につながる などのメリットが生まれます。 カスタマーサポートの業務を効率化をするツールを活用し、対応のスピードや品質を向上させましょう。
カスタマーサポート業務おすすめツール
カスタマーサポートのツールによって解決できる課題は異なります。カスタマーサポート業務において改善したい課題や強化したい面、業務内容の量などにあわせて、最適なツールを導入しましょう。
問い合わせ管理ツール
「どのお客様からどのような問い合わせがきたか」「いつ・誰が対応したか」といった情報の管理が可能です。問い合わせ対応の漏れや遅れ、重複対応などを防ぐ効果があります。
Zendesk
電話やメール、SNSなど、さまざまなチャネルを通じて顧客一人ひとりにパーソナライズしたサポートができるツール。
Re:lation
メールや電話、LINEやECサイトなど、複数チャネルの問い合わせを一画面に集約して管理し、すべての問い合わせの送受信が可能。
メールディーラー
組織内のメールでのやり取りを一元管理することで、メールの見落としや対応ミスを防ぐことが可能。
メールワイズ
1ユーザー月額500円から利用できるメール管理システム。電話や訪問などの履歴も一元管理が可能。
yaritori
メールごとに社内チャットを行えるため、社内のコミュニケーションコストを削減し、業務を円滑に進めることが可能。
お客様への回答サポートツール
お客様からの問い合わせに対して自動で回答したり、お客様自身が回答を自発的に探すことができるため、スタッフの負担軽減につながります。
Tayori
質問と回答を入力するだけで簡単にFAQを作成できるため、プログラミングなどの知識がなくてもFAQサイトを構築可能。
Helpfeel
「意図予測検索」機能により、お客様がキーワードを入力すると、あらかじめ登録してあるFAQの中から最適なものを提示。
チャットプラス
AIが搭載されたチャットボットツール。有人チャット機能もあるため、無人対応と有人対応を組み合わせることも可能。
顧客情報管理ツール
お客様の氏名・連絡先・居住地などの個人情報のほか、取引履歴の情報、職業・年収・趣味嗜好などの情報まで管理できるツールもあります。
Service cloud
顧客情報の管理ができるだけでなく、搭載されたAIによるリコメンドやワークフローの自動化なども利用可能。
楽テル
クラウド型コールセンターシステム。登録済の顧客情報がポップアップで表示されるなど、問い合わせ対応を効率化。
FastHelp5
顧客情報に紐づけ、電話・メール・チャットなどの複数チャネルでの問い合わせ内容を一元管理できる、カスタマーサポート向けCRMツール。
社内情報共有ツール
属人化しがちな情報や業務ナレッジを組織内で共有・展開することで、顧客対応の品質を均一化することが可能です。
NotePM
テンプレートを活用することで、特別なスキルがなくても手軽にマニュアルを作成が可能。
kintone
顧客情報や問い合わせ履歴の管理など、必要なアプリを組み合わせて使いやすいようにカスタマイズできるツール。
Slack
チームやプロジェクトごとにチャンネルを作成してチャットを行えるため、スピーディなやり取りを実現可能。
カスタマーサポート代行サービスについて
カスタマーサポート代行とは、自社の顧客対応を業務委託で請け負ってくれる代行サービスです。カスタマーサポートを代行業者に外注するメリットは主に3つあります。
対応品質を一定に保てる
カスタマーサポート代行業者は、これまでのノウハウを蓄積したプロ集団です。どのようなサービス・商品の問合わせに対しても、ムラなく安定したクオリティを保つことができます。適切な顧客対応により、お客様の満足度も上がり、売上やリピート顧客の獲得も期待できるでしょう。
コア業務に集中できる
ECサイトの運営業務は、サイト改善やマーケティング活動、商品開発など多く存在します。
カスタマーサポート業務をアウトソーシングすることで効率の良い運用体制の構築が可能になります。
コスト削減ができる
社内でカスタマーサポートセンターを構築・運営しようとすると、莫大なコストが必要となります。代行サポートを運用することで、以下のコスト削減ができる可能性があります。
「採用コスト」 求人媒体の広告掲載費用や、採用業務を行う担当者の人件費など。「教育コスト」 社内人材の教育や、オペレーターを管理する体制構築や対応マニュアルの作成などのコストなど。
「設備費用」 円滑な対応のための、十分な通信環境設備や機材などの維持コストなど。これらのメリットを考慮して、最適な代行サービス提供会社を選ぶことをおすすめします。
【まとめ】ECサイトにおけるカスタマーサポートの重要性と成功の秘訣
本記事では、ECサイトのカスタマーサポートで注力すべき内容や、おすすめツールなどをご紹介してきました。
ECサイトのカスタマーサポートは、ブランディングや売上の向上に欠かせない役割であり、サービスの品質アップのためには、体制の整備のみならず、「Q&Aのテンプレート化」「FAQページの充実」といった施策や、お客様から寄せていただいた要望や不満を分析し社内でナレッジ化する仕組みが必要です。
こうした業務を簡略化するために外部ツールを積極的に活用しましょう。さらに、マーケティングや商品開発などの売上施策にフォーカスするために、カスタマーサポート業務を外部のプロ集団に委託することも検討すべきでしょう。
ルビー・グループではこれまで、数多くのラグジュアリーブランドのECサイト運営のお手伝いをしてきました。「人材を育成することができない」「マニュアル作成する時間がない」「倉庫との連携が十分にできていない」「問い合わせの英語対応が不十分」「お客様からの声を分析して社内に共有する余力がない」など、カスタマーサポートに関するお悩みをお持ちであれば、ぜひルビー・グループにご相談ください。
この記事を書いた人

ルビー・グループ コーポレートサイトチーム
各分野の現場で活躍しているプロが集まって結成されたチームです。
開発、マーケティング、ささげ、物流など、ECサイトに関するお役立ち情報を随時更新していきます!