物流でShopifyを導入するメリットや連携可能なシステムについて

2024.07.31

2024.10.29

この記事は約5分で読み終わります。

物流でShopifyを導入するメリットや連携可能なシステムについて

ECサイトを運営する事業者の間で、広く支持されているECプラットフォーム「Shopify」。

ECサイトを立ち上げるタイミングや、事業の売上規模の拡大にともなった業務の見直しにおいて、Shopifyと物流システムとの本格的な連携を検討しているという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、物流にShopifyを導入するメリットや注意点、Shopifyと連携可能な物流システムなど、ShopifyでECサイトを構築する際の物流業務面にフォーカスして解説しています。

ShopifyでECサイトを構築する計画をお持ちの方はもちろん、「ECサイトをローンチ予定している」という事業者の方も、ぜひご一読ください。

 

Shopify(ショッピファイ)とは?

Shopify(ショッピファイ)とは?

「Shopify(ショッピファイ)」は、カナダ発のEC事業者向けプラットフォームで、現在では世界170カ国以上で利用され、100万店舗以上のストア開設実績を誇るECプラットフォームです。

近年、メーカーやブランドが消費者に直接アプローチできるビジネスモデルとして注目を集めている「D2C(Direct to Consumer)」実現のために、小・中規模ECサイトや、スモールスタートをしたいEC事業者に選ばれるなど、導入する事業者が爆発的に増えています。

その理由として挙げられるのが、「初期費用不要」「手軽な利用料金」「簡単に質の高いECサイトを開設可能」に加え、実店舗や、Facebook・Instagram・Pinterestなどのショッピング機能との連携が可能なマルチチャネルプラットフォームである、多言語・他通貨設定など越境ECサイト対応をしている点などです。

とくに、テンプレートが豊富に揃っており、ドラッグ&ドロップで簡単にカスタマイズできる機能は、デザインスキルや専門的なコーディング知識をもったスタッフが社内にいない事業者に高く評価されています。

さらに、一般的に利用される決済方法のほとんどすべてに対応している点なども、多くの事業者が導入する理由となっています。

Shopify(ショッピファイ)のメインビジュアル

Shopify(ショッピファイ)についてこちらから

Shopifyで物流業務を行う際の特徴

Shopifyでは、送料を一律に設定するだけでなく、配送エリアや注文金額などに応じて送料を細かくカスタマイズできる特徴があります。

また、配送業者はデフォルトで指定されている業者から選ぶのはもちろん、アプリを利用して配送業者を追加することも可能です。

さらに、デフォルトで海外配送も利用できるため、越境ECにも適しています。 以下では、これらの特徴について具体的に解説していきます。

送料を細かく設定できる​​

Shopifyでは、顧客が購入する商品や配送地域によって異なる配送料を設定することができます。またディスカウントの条件を設定したり、実店舗があれば店舗受取を設定することも可能です。

初期設定では、国内配送の送料が1000円と、一般的なECショップの送料としては高額に設定されているので、ケースに応じた送料を設定することで、お客様にアピールしましょう。

<配送料金の設定例>
・基本的な配送料設定(全国一律/地域別など)
・商品の重量に応じた配送料設定
・購入額に応じた配送料設定
・特別な商品の配送料設定
・条件付き配送料無料設定(◯◯円以上購入で送料無料など)
・商品の店舗受取 など

※ただし、離島のように配送に中継料金が発生する場合など、特別なエリアの配送料は設定できないのでご注意ください。

海外発送可能​​​

Shopifyでは初期設定で世界中に配送できるようになっているため、越境ECをしたい場合にいちいち変更する必要がありません。

配送エリアを日本限定や地域指定している場合は、「配送エリア設定」から配送したい地域を指定すればOKです。

また、多言語でのショップ展開も可能で、決済方法が豊富なところも、世界の特定エリア向けに販売したいという事業者にとって、大きな特徴です。

なお海外発送で利用できる配送業者は、「日本郵便」と「クーリエ郵便(国際宅配便)」の2つが主な業者になります。

国内外の配送業者と連携可能​​

Shopifyでは、以下の国内配送業者との連携が可能で、下記3社以外の配送業者を設定することも可能です。

・日本郵便
・ヤマト運輸
・佐川急便

なお海外配送については、世界3大配送業者であるFedEx、UPS、DHLをはじめ、複数の配送業者との連携が可能です。

さまざまな物流システムとも連携可能

通常機能だけでも十分なShopifyですが、さまざまな物流システムと連携できるのも特徴の一つです。

国内外のさまざまな企業がShopify向けのアプリを提供しており、配送だけでなく商品の入庫や検品、在庫管理や梱包など、物流を最適化するためのさまざまなシステムとも連携可能です(詳細は別項を参照)。

Shopifyと連携可能な物流システムは複数あり、料金や対応可能サービスがそれぞれ異なりますので、自社に合った物流システムを選んで業務の効率化を図りましょう。

物流業務でShopifyを導入するメリット

それでは物流業務にShopifyを導入するメリットを見てみましょう。

低コストで導入可能

Shopifyはベーシック、スタンダード、プレミアム、Plusの4種類のプランがあり、主に個人事業主向けのベーシックプランであれば月額3,650円(※年払いの場合)と手頃な価格で利用できるため、EC運用の負担になりにくいのがメリットです。

ベーシックプランでも基本機能はひと通り揃っており、商品登録数は無制限、在庫のロケーションは10ヶ所まで指定可能なので、小規模なECサイトの運営であれば問題なくカバーできるでしょう。

物流業務負担の軽減

Shopifyは自動的に取得したさまざまデータをリアルタイム表示することから、自社の受注状況や在庫状況をひと目で確認できるところがポイントです。

また、パソコンだけでなくスマートフォンからでも在庫管理や配送管理などの業務を行えるため、どこからでも作業をすることが可能になります。

さらに、サードパーティのシステムと連携することで、物流業務の自動化などを実現し、より業務効率化につなげることができます。

越境ECサイト運営に最適

越境ECサイトの運営を成功させるには、販売予定先に合った言語と通貨を設定し、ユーザビリティを高めることがもっとも重要です。

Shopifyは、50の言語と130ヶ国以上の通貨に対応。カートページなどの基本的なページは、設定画面で適切な言語を選択するだけでテキスト変換ができます。通貨も自動変換されるため、細かな設定をする必要がありません。

また「Shopifyペイメント」の他、100種類以上の決済方法に対応しています。世界で最も普及している「PayPal」にも対応しているため、ECサイト構築後すぐに越境ECが可能になります。

さらに、発送先の国や地域によって配送料を個別に設定することが可能で、海外へ商品を発送する際に、税率の自動計算や運送会社別の配送料比較などもできるため、世界中さまざまな国や地域に向けての越境ECサイト運営に適しています。

在庫マネジメントがスムーズに

Shopifyは在庫マネジメント機能が充実しているため、現場の運用を効率化してスムーズに受注処理を進められます。

商品が注文されると自動的に在庫が減り、在庫数が0になった時点で販売が停止したり、予約時にマイナスでも受注を継続できたりと柔軟な設定が可能です。

ロケーション管理はベーシックプランでも10ヵ所まで指定できるため、複数倉庫を運用している場合も安心です。

物流業務でShopifyを導入する際の注意点

物流業務にShopifyを導入する際は、「配送料の設定」「商品情報の登録」「受注管理・配送手配」「在庫管理」などの業務フローを、自社で整える必要があります。

その他にも注意すべき点がいくつかありますので、以下で詳しく解説していきます。

標準機能でできることは限定されている

質の高いECのサイトを構築できるShopifyですが、標準機能でできることは限られていることを、あらかじめ認識しておきましょう。

物流面においては「配送日時指定」「ギフト設定」「複数配送機能」といった機能が、標準では実装されておらず、実装するためには、有料を含むアプリの追加が必要になります。

そのアプリですが、公式が提供しているものはごく一部であり、多くはサードパーティが開発・提供しているものになっています。

サードパーティが提供しているアプリは、単体では正常に機能するものの、他社提供のアプリに干渉してしまう可能性があります。

アプリを追加する際には、現状のECサイト環境に影響を与えないか確認することが必要になります。さらにアプリ情報は英語が多いため、アプリを導入したい場合は、英語知識が必要になる点にもご注意ください。

またアプリや拡張機能を実装する場合には、HTML/CSSの知識が必要になることもあるので、社内にHTML/CSSの知識があるスタッフが不在の場合は、外部への相談や自力での解決を必要とします。

運用コストが高くつく可能性がある

例えば贈答用のラッピングや、のしの設定を追加したい時など、有料アプリを利用すると追加の運用コストが発生します。

Shopify単体で利用するのであれば低コストでの運用も可能ですが、アプリによっては、カスタマイズしようとするとその分の運用コストが積み重なる点に注意しましょう。

「Shopifyペイメント」のオーソリ期間は7日間

公式決済サービスである「Shopifyペイメント」を利用する場合は、オーソリ期間が短い点にも注意が必要です。

日本のECのサイトは30日間が一般的なのに対し、「Shopifyペイメント」の場合は、オーソリ期間が7日間となっています。

お客様が購入処理をしてから決済ができるまでの期間が非常に短いため、購入から出荷までの期間を7日間以内に設定する必要があります。

お客様が配送日指定をした場合、購入手続きから出荷までの期間が1週間以上になるケースも多くあり、Shopifyではその場合は決済が不可となってしまうので要注意です。

さらに、オーソリ期間(7日間)を過ぎても注文が自動的にはキャンセルされないため、該当の注文を管理画面にて手動でキャンセルの上、再度お客様にご注文をいただく必要があります。

Shopifyと連携可能な物流システム5選

ここでは、Shopifyと連携可能な物流システムをご紹介します。自社のECサイトの状況やニーズに合わせて連携をご検討ください。

mylogi

mylogi

「mylogi」は、Shopify Expertsパートナーのアートトレーディング株式会社が提供する、在庫管理に加えて入出荷業務も管理できる物流システムです。

商品在庫管理から入荷出荷管理までのフローをプラットフォーム上で完結することができ、OMS(オーダーマネジメントシステム)、WMS(倉庫管理システム)のどちらのシステムも「mylogi」1つで一元管理をすることができます。

また、入荷時・出荷時にバーコード検品を行う事で、在庫誤差をゼロにすることができ、誤出荷の軽減につなげることも可能です。月額固定制のシンプルな料金体系も特徴です。

【特徴】
・受注管理システム(OMS)と倉庫管理システム(WMS)2つの機能を搭載
・複数の在庫管理で在庫の売り越し売り逃しを防ぐ
・Shopifyや楽天など、多モール注文の管理に対応
・フリーロケーションやバーコード管理などに対応
・帳票のテンプレート内で軽減税率への対応が可能
・多品種小ロットのECサイトの在庫管理に最適

【料金】
月額固定制でプランごとに料金が変動(※すべてのプランで全機能使用可能)

mylogi basic
初期費用:0円
月額費用:15,000円
(出荷件数:300件まで 倉庫数:2倉庫 商品マスタ数:無制限 ユーザー数:3名)

 「mylogi standard
初期費用:0円
月額費用:30,000円
(出荷件数:1000件まで 倉庫数:3倉庫 商品マスタ数:無制限 ユーザー数:5名)

 「mylogi premium
初期費用:0円
月額費用:60,000円
(出荷件数:無制限 倉庫数:無制限 商品マスタ数:無制限 ユーザー数:無制限)

SHIPPINNO

SHIPPINNO

「SHIPPINNO」は、ECサイト出荷業務の完全自動化に特化した物流システムです。BASE、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど、Shopify以外のモールにも対応しており、受注確認から配送処理まで、国内にある数多くの倉庫と連携しながらスムーズに出荷することが可能になります。

連携可能な物流サービスは、物流倉庫や、フルフィルメントbyアマゾン(FBA)、佐川グローバルロジスティクスなど、800以上にのぼります。

24時間出荷業務に対応するので、スピーディーな発送対応も可能です。

【特徴】
・個数関係なく出荷と受注業務の自動化をサポート
・受注から出荷依頼、在庫同期まで24時間365日自動処理
・複数店舗の受注を一括管理
・さまざまなロジスティクスサービスと連携可能

【料金】
初期費用:0円
月額費用:以下の3料金の合計
(1)ストアと物流サービスの連携料金:¥9,800/連携(連携数に応じて変動)
(2)自動出荷数に応じた従量課金
(3)SKU数合計に応じた課金
その他費用:15,000円/年(保守費用) ※1ヶ月の無料トライアル有り

 

LOGILESS

LOGILESS

「LOGILESS」は、ECビジネスのオペレーション効率化に欠かせない「OMS」(受注管理システム)と、「WMS」(倉庫管理システム)の一体型システムです。

EC事業者と倉庫事業者が一つのシステムを利用するため、受注〜出荷までの人手作業がほぼ不要になり、ミスなくスピーディに出荷ができます。

【特徴】
・現在出荷作業を行っている倉庫に簡単にシステム導入可能
・手作業でのデータ連携が不要。出受注~出荷までの業務全般を自動化
・複雑な出荷指示も自動化が可能
・複数の倉庫を柔軟に使い分け、配送や倉庫コストを最適化

 【料金】
初期費用:0円
月額費用:基本料金(月額20,000円)+出荷件数に応じた従量料金
複数倉庫からの出荷・POS連携などのオプション機能は、別途お申し込みが必要となります。

NEXT ENGINE

NEXT ENGINE

「NEXT ENGINE」は、在庫管理・受注管理・発注管理が一気通貫で行えるシステムです。

複数店舗のページ管理や在庫連携、受注処理などが自動化でき、さらに外部システムとの連携やアプリ機能による高いカスタマイズ性を備えています。

運営元であるHameeはECサイト運営者でもあるため、現場目線で開発が行われている点も大きな特徴です。

【特徴】
・楽天市場やAmazonなどの複数店舗の在庫
・受注管理を自動化
・メルマガ自動作成など、きめ細やかな機能をもつアプリを80種以上導入可能
・10種以上のモール
・20種のカートと標準連携
・オンラインマニュアルやFAQ、電話やメールによるサポートが充実

 【料金】
初期費用:¥0
月額費用:¥10,000〜(受注件数に応じた従量課金制)
※契約から2年目以降は、前年分の保守費用として1万5,000円が発生

 

ロジクラ

ロジクラ

「ロジクラ(logikura)」は、クラウド型の在庫管理システムです。基本機能は永久無料で利用できるのが大きな特徴で、さらにiPhoneを使って入出荷処理や在庫確認が可能なため、個人や小規模事業者に数多く導入されています。

3種類のプランから自社に合ったものを選ぶことができるので、必要な機能やコストを抑えることが可能です。

【特徴】
・基本機能は無料で利用可能
・iPhoneで入出荷処理や在庫確認が可能
・PCから複数ユーザーによる複数拠点の在庫管理が可能
・24時間365日稼働のフルフィルメントセンターと連携
・POSシステムと連携し、実店舗の在庫と連携が可能

【料金】
※Shopifyと連携が可能な2つのプランは以下の通り。

ライトプラン
初期費用:¥0
月額費用:14,800円(年間契約の場合:12,800/月)

プレミアムプラン
初期費用:¥0
月額費用:49,000円(年間契約の場合:40,000/月)

 【まとめ】物流でShopifyを導入するメリットや連携可能なシステムについて

ECサイト運営者にとって「ECサイトの戦略やプロモーションに力を入れたいけれど、バックヤード業務にリソースを奪われてしまう」という悩みはつきものですよね。

Shopifyを導入し物流システムと連携すれば、在庫管理に加えて入出荷業務なども効率的に管理できるため、バックヤード業務にとられていた工数をフロント業務に振り分けることができます。

もしShopifyと他アプリの連携に不安を感じるようであれば、数多くの実績をもつプロフェッショナルな会社に任せれば安心です。

ルビー・グループには、数多くのECサイトの運用代行実績がございます。

ラグジュアリーブランドの実績も豊富で、高いクオリティでのサービス提供が可能になりますので、Shopifyに関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

物流サービス詳細リンクバナー 物流サービス詳細リンクバナー

この記事を書いた人

ルビー・グループ コーポレートサイトチーム

各分野の現場で活躍しているプロが集まって結成されたチームです。
開発、マーケティング、ささげ、物流など、ECサイトに関するお役立ち情報を随時更新していきます!

もっと見る