無料で使える!ECサイト分析ツールおすすめ5選

2025.09.04

2025.09.04

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無料で使える!ECサイト分析ツールおすすめ5選
ECサイトの売上を継続的に成長させるためには、ユーザーの行動を深く理解し、ECサイトを改善することが重要であり、そのためにはECサイト分析ツールの導入が必須になります。

ECサイト分析ツールは、勘や経験に頼るのではなく、データに基づいて意思決定を行うための羅針盤です。導入することで、ユーザーの声を数値で理解し、サイトの課題を特定し、効果的な施策を実行・評価するサイクルを確立できます。これは、ECサイトの売上を一時的に伸ばすだけでなく、持続的な成長を実現するために最も重要なプロセスになります。

本記事では、無料で使えるECサイト分析ツールを厳選してご紹介しています。「無料で使えるECサイト向け分析ツールを知りたい」という方はもちろん、「複数ツールを組み合わせた分析方法を検討中」という方も、是非ご一読ください。

 無料で使えるECサイト分析ツールを選ぶポイント

 無料で使えるECサイト分析ツールを選ぶポイント

まず、どんな分析をしたいかによって、選ぶべきツールが変わってきます。ECサイトを分析するポイントと内容は、大きく分けて次の3つになります。

アクセス解析

サイトにどれくらいの人が、どこから、どのような経路で来ているのかを調べられます。

①訪問者数・セッション数:サイトにどれくらいの人が、どれくらいの回数訪問しているか
②流入元:ユーザーがどこからサイトに来ているか(例:検索エンジン、SNS、広告)
③コンバージョン:ユーザーが商品を購入したり、会員登録したりした数
これらの指標を分析することで、ECサイトのどこに改善の余地があるかが見えてきます。

ヒートマップ解析

ユーザーがサイトのどこをよく見ていて、どこでクリックしているかなどを視覚的に把握できます。

①クリックヒートマップ:ウェブページ上でクリックやタップが集中している場所や、本来クリックしてほしいボタンがクリックされていない場所などを色で示す
②スクロールヒートマップ:ユーザーがページのどこまでスクロールしたかを色で示す
③アテンションヒートマップ:ユーザーがページのどの部分に滞在し、熟読しているかを色で示す

広告効果測定

主に解析できる内容は以下の通りです。

①広告のパフォーマンスに関する指標
・表示回数(インプレッション数):広告がユーザーに表示された回数
・クリック数:広告がクリックされた回数
・クリック率(CTR):「クリック数 ÷ 表示回数」で算出され、広告の魅力度やターゲット設定の適切さを判断する指標
・コンバージョン数:広告を経由してウェブサイト上で設定した目標(例:商品購入、問い合わせ、資料請求)を達成した数
・コンバージョン率(CVR):「コンバージョン数 ÷ クリック数」で算出され、広告のランディングページ(LP)やウェブサイトの導線がどれだけ効果的かを判断する指標

②広告からの流入経路の分析
・流入元(チャネル)の特定:ユーザーがどの広告媒体からサイトにアクセスしたかを把握
・キャンペーン・キーワードごとの流入数:具体的な広告キャンペーンや、ユーザーが検索したキーワードごとに流入数を分析し、どの広告が効果的だったかを特定

③広告経由のユーザー行動分析
・訪問者数:広告からサイトに訪れたユニークユーザーの数
・セッション時間:サイトに滞在した時間の平均
・ページビュー数:ユーザーが閲覧したページの数
・離脱率:特定のページからサイトを離れてしまった割合

なおこれらの分析をするツールの無料プランは、基本的な機能に絞られていたり、一部の機能が制限されていたりすることがほとんどです。

無料プランの範囲と制限を事前に確認することで、重要な指標が分析できるかどうかを判断しましょう。もし必要な機能が無料で提供されていない場合、分析が不十分になり、改善策を見つけられず、売上アップという本来の目的を達成できなくなる可能性があるのでご注意ください。

無料で使えるECサイト分析ツールおすすめ5選

それではここで、実際に無料で使える代表的なECサイト分析ツールをご紹介します。

Googleアナリティクス(GA4)

Googleアナリティクス4(GA4)は、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは根本的に異なる、次世代のアクセス解析ツールです。

中小企業のウェブサイトであれば、無料版の範囲内で十分なデータ分析を行うことができます。ただし、無料版にはいくつかの制限があり、大規模なサイトや高度な分析が必要な場合は、有料版(Google Analytics 360)の導入を検討することになります。

無料でできること(主な機能)は以下の通りです。
【基本的なアクセス解析】
・ユーザー数、セッション数、ページビュー数などの基本的なトラフィック指標の計測
・ユーザーの属性(年齢、性別、興味関心)、デバイス、所在地などの分析
・ユーザーがどこからサイトに流入したか(オーガニック検索、広告、SNSなど)の分析

【イベント計測】
・スクロールやクリック、動画再生など、ユーザーの行動を「イベント」として計測
・コンバージョンとして設定した目標達成数の計測

【レポート機能】
・標準レポートによる基本的なデータの可視化
・「探索」レポートによる、より詳細な分析(ファネル分析、経路分析など)
【他のGoogleサービスとの連携】
Google広告、Google Search Consoleとの連携による、広告や検索パフォーマンスの分析

なお無料版のGA4には、主に以下の点で制限があります。
>>データサンプリング
探索レポートで大量のデータを分析する際、データの量が一定のしきい値を超えると、一部のデータを抽出した「サンプリング」されたレポートが表示される。

>>データ保持期間
利用できるデータの保持期間は、最大で14ヶ月です。14ヶ月より前の過去のデータを詳細に分析したい場合は、有料版の利用などが必要になる。

>>データの更新頻度
無料版のデータ更新は、24〜48時間程度かかる場合がある。

>>カスタムディメンション・カスタム指標の数
独自の分析軸(ユーザーの会員ステータス、商品カテゴリなど)を設定する「カスタムディメンション」や「カスタム指標」の数に制限があある。

Google Search Console

Google Search Consoleは、簡単に言うと「Google検索におけるウェブサイトの健康診断ツール」です。WEBサイトの所有者であれば誰でも、無料で利用できます。

無料でできること(主な機能)は以下の通りです。

【検索パフォーマンスの分析】
どのようなキーワードでユーザーがサイトを検索し、アクセスしているかを確認
表示回数(インプレッション数)、クリック数、クリック率(CTR)、検索順位などの指標を分析

【インデックス登録の確認・リクエスト】
Googleがサイトのどのページをクロール(巡回)し、インデックス(検索結果に表示するための登録)しているかを確認
新しいページや更新したページのURLを送信し、Googleにインデックス登録をリクエスト
インデックス登録がブロックされているページや、問題が発生しているページを特定し、修正

【サイトの健全性チェック】
サイトに技術的な問題(例:サーバーエラー、見つからないページ)がないかを確認
モバイルフレンドリー(モバイル端末での表示のしやすさ)に問題がないかを確認
サイトに対するGoogleからの手動ペナルティ(スパム行為などによる順位下落)がないかを確認

【被リンク(外部リンク)の分析】
どのサイトから自分のサイトにリンクが張られているか(被リンク)を確認

【サイトマップの送信】
サイトマップ(サイト内のページ構成を記載したファイル)を送信し、Googleのクローラーが効率的にサイトを巡回できるように支援

Google Search Consoleは基本的に無料ですが、大規模なサイトを運営する場合や、より高度な分析をしたい場合に、いくつか制限を感じることがあります。

しかしWEBサイトの成長やSEO改善の第一歩としては、無料機能だけで十分に多くのことが行えます。

Microsoft Clarity

Microsoftが提供する無料のWebサイト分析ツールです。Google Analyticsが「ユーザーがどこから来て、何人いたか」といった定量的なデータを分析するのに対し「ユーザーがサイト内で具体的にどのような行動をとったか」という定性的なデータを視覚的に把握することに特化しています。

無料でできること(主な機能)は以下の通りです。
【ヒートマップ】
・クリックマップ:ユーザーがページ上のどこをクリックしたかを色で可視化
・スクロールマップ:ユーザーがページのどこまでスクロールしたかを可視化
・エリアマップ:特定のセクションや要素へのエンゲージメント度合いを分析

【セッションリプレイ(録画再生)】
・個々のユーザーがサイト内でどのような動きをしたかを、動画のように再生して確認
・マウスの動き、クリック、スクロールなど、ユーザーの具体的な行動を追うことで、サイトの使いにくさや問題点を視覚的に把握
・個人情報は自動的に匿名化されるため、プライバシーにも配慮

【インサイト(ユーザー行動分析)】
ユーザーがイライラしている可能性のある行動(デッドクリック:クリックしても何も起こらない場所をクリックする、クイックバック:すぐに前のページに戻る、過剰なスクロールなど)を自動で検出し、問題のあるページを特定

【Google Analyticsとの連携】
Google Analyticsの定量的なデータ(トラフィック数やコンバージョン率など)と、Clarityの定性的なデータ(ヒートマップやセッションリプレイ)を組み合わせて、より深い分析を行うことが可能。

Microsoft Clarityは、ヒートマップやセッションリプレイといった強力な機能を、サイト規模やトラフィック量に関わらず、完全に無料で提供している点で、他の多くのヒートマップツールとは一線を画しています。

ウェブサイトの改善を始めたい初心者から、大規模サイトを運営するプロフェッショナルまで、誰にとっても非常に有用なツールと言えるでしょう。

PageSpeed Insights

Googleが提供するWEBサイトのパフォーマンスを無料で診断し、改善策を提案するツールです。

WEBサイトのURLを入力するだけで、デスクトップとモバイルの両方についてページの表示速度やユーザーエクスペリエンスを診断し、改善提案をしてくれます。

無料でできること(主な機能)は以下の通りです。

【Core Web Vitalsの評価】
Googleの検索ランキングにも影響を与える、ページの読み込み速度(LCP)、インタラクティブ性(FID)、視覚的な安定性(CLS)といった、ユーザーエクスペリエンスを測る重要な指標(Core Web Vitals)のスコアを表示

【パフォーマンススコア】
ページの全体的なパフォーマンスを0から100までのスコアで評価

【診断結果と改善提案】
スコアの根拠となる技術的な問題点(例:画像の最適化不足、JavaScriptの実行ブロックなど)を具体的に示し、それぞれの問題に対する改善策を提案。

PageSpeed Insightsの診断結果は、単に技術的なパフォーマンスを測るだけでなく、以下のようにSEO(検索エンジン最適化)にも直接的な影響を与えます。
>>ユーザーエクスペリエンスの向上
ページの表示が遅いと、ユーザーはイライラして離脱してしまいます。パフォーマンスを改善することで、ユーザー満足度が向上し、コンバージョン率の増加にもつながります。

>>Google検索ランキングへの影響
Googleは、ユーザーに快適な検索体験を提供するため、Core Web Vitalsなどのページエクスペリエンスを検索ランキングの要因の一つとしています。診断結果を改善することは、検索順位の向上に役立ちます。

WEBサイト運営者や開発者にとって、PageSpeed Insightsは、サイトのパフォーマンスを継続的に監視し、改善するための不可欠なツールです。無料で利用でき、誰でも簡単に診断できるため、定期的にチェックすることが推奨されています。

キーワードプランナー

Googleが提供するキーワード調査のための無料ツールです。Google広告のアカウント内で利用でき、ユーザーがGoogleで何を検索しているか、どのくらいの頻度で検索しているかといった情報を知ることができます。主に、WEBサイトのSEO(検索エンジン最適化)対策や、Google広告の出稿キーワードを選定する際に役立ちます。

Google広告のアカウントを作成すれば、広告を出稿していなくても、多くの機能を無料で利用できます。

無料でできること(主な機能)は以下の通りです。

【関連キーワードの調査】
特定のキーワードを入力すると、そのキーワードに関連するアイデア(関連キーワード)を大量に取得可能

【検索ボリュームの確認】
キーワードの月間平均検索ボリューム(検索数)を確認

【競合性の確認】キーワードの競合性(広告を出している競合の多さ)を確認

なお無料版のキーワードプランナーには、主に以下の点で制限があります。
>>検索ボリュームの表示が概算値になる
広告を出稿していない場合、検索ボリュームが「1,000〜1万」や「1万〜10万」といったおおまかな範囲でしか表示されない。
正確な検索ボリュームを知りたい場合は、Google広告で少額でも広告を出稿する必要がある。

>>その他の詳細データにアクセスできない
有料版(Google広告出稿ユーザー)では、入札単価の目安、キーワードの傾向、インプレッションシェアなどの、より詳細なデータにアクセス可能。

キーワードプランナーは、無料で利用できますが、その機能には制限があると理解しておく必要があります。

正確な検索ボリュームを把握して戦略を立てる必要がある場合は、少額でも広告を出稿するか、他の有料キーワード調査ツール(Ahrefs、Semrushなど)の利用を検討する方が良いでしょう。

まとめ

ECサイトに無料の分析ツールを導入する際には、いくつかの注意点があります。まず、導入前に必ず公式サイトで無料プランの利用規約や機能一覧を確認しましょう。特に、自社のECサイトの規模や将来的な成長を見据えて、データ量の上限が適切かを確認することが重要です。

また「なんとなく便利そうだから」という理由でツールを導入するのではなく、「なぜこのツールを使うのか?」という目的を明確にすることも重要です。そのためにも現在のECサイトの課題(例:集客はできているが購入率が低い、特定の商品が売れないなど)を洗い出し、その課題解決に最も適したツールを選びましょう。

さらに複数の無料ツールを導入する場合、それぞれのデータが連携できるかどうかを確認しましょう。最初から連携を見据えて、Googleが提供するツール群を軸に導入を検討すると、データの統合がスムーズに進みます。

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この記事を書いた人

ルビー・グループ コーポレートサイトチーム

各分野の現場で活躍しているプロが集まって結成されたチームです。
開発、マーケティング、ささげ、物流など、ECサイトに関するお役立ち情報を随時更新していきます!

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