
本記事では、EC-CUBEの他のプラットフォームにはない柔軟なカスタマイズ性や、EC-CUBEが自社独自のECサイトを構築するのに適している点などについて解説しています。
「EC-CUBEを活用してどのようなカスタマイズが可能か具体的な事例を知りたい」「スタマイズしたサイトの運用を効率化する方法(メンテナンス、更新作業など)を知りたい」という方はもちろん、「ECサイト運営を効率化したいが、どの程度カスタマイズが可能か具体例を知りたい」という方も是非ご一読ください。
EC-CUBEのカスタマイズが選ばれる理由

その最大の魅力は、高いコストパフォーマンスとカスタマイズ性にあると言っていいでしょう。EC-CUBEはオープンソースであるため、基本料金は一切かかりません。また、すでに完成されたシステムを自社用にカスタマイズできるパッケージ型のソフトウェアなので、一から開発して運用するのに比べたらコストを大幅に抑えられます。
それでいて、ECサイトに必要不可欠な検索機能やレビュー機能、会員登録機能など、ECサイトに必要な機能が一通り網羅され、さらに、メルマガ機能やおすすめ商品表示機能など、ユーザーに購入を促す機能も用意されている点が魅力です。
決済サービスについても、公式サービスである「EC-CUBEペイメントプラス」を利用すれば、VISA、Master Card、JCB、AmericanExpress、Diners Clubなどの主要国際カードブランドだけでなく、「PayPay」「GMO後払い」「コンビニ決済」「電子マネー」「オンラインバンキング」「銀行ATM払い」などにも対応可能に(詳細後述)。物流サービスとも連携しているので、物流会社の選択などで迷うことなく、簡単に安く導入できる点もメリットです。
またEC-CUBEは、利用するにあたって高度なプログラムの知識は必要はなく、プラグイン(ソフトウェアの機能を拡張するため追加するプログラム)をインストールするだけで、機能を自由にカスタマイズして拡張ができます。そのため、機能拡張のたびにエンジニアに業務を発注する必要がなく、運用コストを抑えられる大きな要因となっています。
プラグインの種類は多岐にわたり、決済・デザインテンプレート・機能カスタマイズ・集客・顧客管理・販促 物流・在庫管理 SNS・セキュリティなどから、必要な機能だけを選んで購入することが可能。
代表的なものとしては売上ランキングを表示させる機能や、カートイン時におすすめ商品をレコメンドする機能のほか、メルマガ配信やバナー管理などのプラグインがあります。
このように、オープンソースであるためにコストがかからず、さらにECサイト運営に必要な機能を容易に実装できるところが、多くのECサイトに導入されている理由です。
カスタマイズで成功した具体的なプロジェクト事案
EC-CUBEの導入企業の中でも、特に多いのがファッション/アパレル業界。ここではEC-CUBEを導入し実際にカスタマイズに成功した、ファッション/アパレル業界の事例を紹介いたします。それぞれ、どのような工夫がされているのか参考にしてみてください。
執事眼鏡eyemirror
デザインにおいては、ユーザーの不安・ストレスを軽減することを目的に、細部の挙動にこだわり、全てのテンプレートファイルを1から作成。お客様に分かりやすいUI、UXを実現しています。またECCUBE本体のコードは編集せずに、プラグインのみで開発。バージョンアップ等の保守を容易にしています。
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ストール専門店Natural Lounge
JETCHOP
また、これまでユーザーが見積依頼をする際にかかっていた負担を軽減するために、ユーザビリティも大幅に向上させ、スマートフォンに関してはコンバージョン率がリニューアル前の2倍、離脱率についても10%以上の改善が見られています。
その他にも、各商品カテゴリや商品毎にタイトル、メタキーワード・ディスクリプションを個別に設定できるようにし、また、広告URLに付与するパラメータを登録しておくことで、どの広告を経由して見積依頼を行ったのかを管理画面上で確認することが可能にするなど、各種カスタマイズを実施しています。
※EC-CUBEの導入実績をご覧になりたい場合は、EC-CUBE導入事例(https://www.ec-cube.net/cases/)で確認できます。
カスタマイズにおける課題と解決策
ここでは、EC-CUBEの開発コストやメンテナンスの課題、スムーズな運用のためのポイントを解説いたします。
ECサイト制作と管理のスキルが必要
EC-CUBE導入の「ダウンロード版」は無料で利用ができるため、初期コストを抑えるという目的は果たせますが、実際にECサイトを構築・運営していくとなると、デザインや仕組みを整えるためのスキルが必要になります。
同時に、プログラミングの基礎知識もないと機能を使いこなすことができず、さらにサイトのメンテナンスについても自身で行う必要があるため、相応のスキルが必須になります。またEC-CUBEは自動でバージョンアップされないため、自社でバージョンアップする必要がありますが、その結果、既存機能に不具合が発生するケースがあり、対応するための知識を要します。
こうしたデメリットを回避したい場合は、「クラウド版」の検討も視野に入れましょう。「クラウド版」では、ダウンロード版で必要だったサーバー保守やメンテナンスなどを自社で行う必要がありません。
そのぶん売上規模によって変動する月額利用料が発生しますが、Standardプランの場合は月商1,000万円以上なら固定されるので、事業規模の小さいときはコストを抑えられ、事業が大きくなったときは固定料金で安心して利用できます。単純な初期コストの比較だけでなく、トータルなコストを考え、どちらを用いるか決めることをおすすめします。
セキュリティ対策が必要
EC-CUBEはオープンソースのソフトウェアで、高いカスタマイズ性も有している点が強みである一方、「ダウンロード版」の場合は、セキュリティが脆弱になりやすい懸念もあります。ECサイトのセキュリティ対策に関する経験や知識がない状態で「ダウンロード版」を利用する場合は、ECサイトの制作プロダクションやセキュリティ・パートナーと別途契約を結ぶべきでしょう。もしくは、上述した有料の「クラウド版」を利用すれば、自社でセキュリティ対策をする必要がなくなります。
集客を自ら行う必要がある
EC-CUBEのデフォルト機能には集客を促すタイプのものがないため、プラグインを利用するなどして、自社で販促プランを遂行していく必要があります。一方で、AmazonなどのECモールに出店すれば集客行為は必要ありませんが、プラットフォーム利用料がかかるだけでなく、競合他店との間の価格競争に巻き込まれやすいというデメリットがあります。それぞれのメリット・デメリットをしっかり把握し、検討を進めることが大切です。
サイトの開発や運営で困ったら、コミュニティに頼る
EC-CUBEは、事業規模を問わず数多くのEC事業者に採用され、日本国内での導入事例が多いのが特徴です。そのためEC-CUBEの登録会員者が利用する大規模な「EC-CUBE開発コミュニティ」(https://xoops.ec-cube.net/)が存在し、活用方法を学ぶことができます。
エンジニアだけでなく、デザイナーやショップ運営者など、さまざまな人が参加しているので、初心者の方でも気楽に質問ができ、効率よく問題を解決できるでしょう。
【まとめ】EC-CUBEの柔軟性を活かしたカスタマイズ事例
EC-CUBEには、ソースコードの自由なカスタマイズや、簡単に機能追加できるプラグイン、外部サービスや企業の基幹システムとの連携を可能にするWeb API等による無限のカスタマイズ性など、オープンソースならではの特徴があります。
また、同様のソフトウェアのほとんどが海外製であるのに対し、日本製であるために管理画面が使いやすく、日本人の利用者が多いことから、不明点などについては簡単に調べられるところが魅力です。
その一方で、「設定やカスタマイズには専門的な知識が必要になる場合がある」「オープンソースのECサイト構築システムであるため、サポート体制が不十分な場合がある」「プラグインやテンプレートの品質に差がある」「カスタマイズのための開発作業が必要な場合もある」などの注意点もあります。
ルビー・グループでは、これまでEC-CUBEにて多くのオンラインストアを制作・運営しており、制作と運用実績に関しては豊富な情報量を持っております。 柔軟なカスタマイズ対応だけでなく、サイト開設後の運用やバージョンアップにおいても安定的にサポートをさせていただきます。EC-CUBEに関するご質問などあれば、ぜひお問い合わせください。
この記事を書いた人

ルビー・グループ コーポレートサイトチーム
各分野の現場で活躍しているプロが集まって結成されたチームです。
開発、マーケティング、ささげ、物流など、ECサイトに関するお役立ち情報を随時更新していきます!