2026.09.10

新規構築もリプレイスも、カート選びに“唯一の正解”はない ── EBISUMART × RUBY が語る、自社に合うECプラットフォームの見つけ方

ECサイトの新規構築やリプレイスを検討するとき、多くの企業が最初にぶつかるのが「どのカートを選ぶべきか」という問題です。選択肢が豊富になった今、機能比較表を眺めるだけでは、自社に合う一台はなかなか見つかりません。
今回は、国産のクラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART」を提供するインターファクトリーの兼井取締役と、20社近いカートを扱いEC構築・運用を支援してきたルビー・グループの恩蔵CMO執行役員が対談。Shopify、EBISUMART、EC-CUBEといった主要プラットフォームの違いから、リプレイスで失敗しないための考え方まで、「どのカートが優れているか」ではなく「自社には何が合うのか」を判断するための視点を、本音で語り合っていただきました。

登場人物・会社紹介

EBISUMART(株式会社インターファクトリー)紹介

EBISUMART(エビスマート)は、株式会社インターファクトリーが提供する国産のクラウドコマースプラットフォームです。カスタマイズ性の高さが特徴で、事業者ごとの要件に合わせた機能開発・外部システム連携に対応しながら、クラウドならではの自動アップデートで常に最新環境を保てます。中〜大規模EC事業者を中心に導入実績が豊富で、専任チームによる手厚い運用サポートも強みです。成長に合わせて柔軟に拡張できる、伴走型のECプラットフォームです。

兼井 聡

株式会社インターファクトリー

取締役 クラウドコマースプラットフォーム事業責任者

兼井 聡

Kanei Satoshi

2001年よりITエンジニアとしてキャリアをスタート。2006年、創業期の株式会社インターファクトリーに参画し、クラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART」の開発を牽引。同年、取締役に就任し、2020年の東証マザーズ(現グロース)上場を支えた経営メンバーの一人。営業、カスタマーサクセス、製品開発のマネジメントを経て、現在はクラウドコマースプラットフォーム事業責任者として「EBISUMART」事業全体を統括。同サービスをカスタマイズ対応可能なクラウド型ECサイト構築サービス9年連続シェアNo.1(日本ネット経済新聞調べ)に導いている。

・2006年1月 インターファクトリー入社、システムソリューション部 部長就任
・2006年12月 同社取締役就任、EBISUMART事業担当

ルビー・グループ株式会社 紹介

ルビー・グループ株式会社は、ラグジュアリーブランドを中心に、ECサイトの構築からデジタルマーケティング、撮影・物流・カスタマーサポートまで、オンラインビジネスに必要な全工程をワンストップで支援するECフルフィルメントのスペシャリスト集団です。各分野のプロによる専任チームを編成し、高品質な運用を実現します。東証スタンダード上場のイルグルムグループの一員として、グループの総合力を活かした一気通貫のEC運営支援を提供しています。

恩蔵 優

ルビー・グループ株式会社

執行役員CMO 兼 営業部担当役員

恩蔵 優

Onzo Masaru

ファッション総合商社入社後、24歳に飲食業で独立。海外生活を経て2004年、株式会社ネットプライス(現BEENOS)入社をきっかけにEC業界入り。その後は、広告代理店・グローバルSNS・アパレル・EC企業等の幹部・CxOを歴任。
LINE株式会社では、グローバルアライアンス×B2B2C×国際物流のスキームを掛け合わせた日本初サービスをローンチし、ECの可能性を大きく広げた事で知られている。
現在、米国にも会社を保有し、2つのEC協会に携わり、日本のEC規模の発展と、世界と日本をつなぐ活動をしている。

・2023年4月、株式会社イルグルム参画。子会社のイーシーキューブ社にて執行役員CxOを歴任
・2025年8月、グループ内移籍にて、ルビー・グループ執行役員CMOに就任

カート選びで迷う企業が増えている──現場で見えるリアル

―― 新規構築・リプレイスのご相談で、いま現場ではどんな悩みが多いのでしょうか。

恩蔵 氏 (ルビー・グループ)

いちばん多いのは「選択肢が多すぎて、結局どれが自社に合うのか分からない」というご相談ですね。各カートの機能比較表を作り込んで持ってこられる企業様も多いのですが、表の上では甲乙つけがたく、決めきれない。実は機能の違いよりも「自社の業務や商習慣に合うか」「5年後の事業に耐えられるか」のほうが重要なのですが、そこは表からは見えないんです。

詳しくヒアリングしていくと、本当のお悩みは「月額コストを下げたい」「今のカートの機能に限界がある」「外部システムと連携したい」など、企業様ごとに全然違います。その課題に対して、自社に本当に適したカートが何なのかを判断できていない。これが現状だと感じています。リプレイスのご相談では「今のカートに大きな不満はないけれど、このままでいいのか漠然と不安」という声もよく聞きますね。

もう一つ、意外と知られていないのが決済代行会社(PSP)の話です。カートの選定だけでなく、決済代行の仕組みや手数料体系まで理解されている事業者様は、正直かなり少ない。私たちはカートコンシェルジュとして支援するなかで、自然とPSPコンシェルジュとして決済代行の選定や条件交渉までご一緒するようになりました。カートと決済はセットで考えないと、後からコスト構造で苦労することになるんです。

兼井 氏 (EBISUMART)

私たちのもとにも、リプレイスを機にご相談へ来られる企業様が増えています。背景として多いのは、事業が成長して「標準機能では対応しきれない業務が出てきた」パターンと、逆に「カスタマイズを重ねすぎてシステムが古く重くなり、身動きが取れなくなった」パターンです。どちらも、最初のカート選びの時点では想定していなかった変化なんですよね。だからこそ「いま何ができるか」だけでなく「事業が変わったときにどうなるか」まで含めて選ぶ必要があると感じています。

人気のShopifyをどう見ているか

―― カート選びの話になると、やはりShopifyの名前をよく聞きます。お二人はShopifyをどう見ていますか。

恩蔵 氏 (ルビー・グループ)

現場でも「Shopifyで構築したい」というご相談は圧倒的に増えました。ただ、理由を伺うと「デザインがおしゃれだから」「みんなが使っているから」といったイメージ先行のケースも多いんです。とはいえ、そう思われるだけの理由がしっかりある、本当によくできたプラットフォームだと思っています。

マーケティング戦略とブランドイメージの構築は圧倒的に上手いですし、インフラも非常に堅牢で、アクセス集中でサイトが落ちたという話をほとんど聞きません。AIアシスタントの「Sidekick」をはじめ先進テクノロジーの導入スピードも速く、構築後の運用を自動化・省力化していくポテンシャルは高い。越境ECの展開や、スピーディーなテストマーケティングには非常に適していると思います。

私自身、米国に置いている自分の法人で、shopify plusを限界までカスタマイズして越境ECサイトを構築しているので、良さは理解しています。注意点を一つ挙げるとすれば、海外発のプロダクトなので、日本特有の商習慣にフィットさせるには少しコツが要るということですね。掛け払いへの対応や、複雑なギフト・配送要件といった要素をアプリの組み合わせで実現しようとすると、アプリ同士の相性や月額費用の積み上がりで、運用が想像以上に複雑になるケースも見てきました。「合う事業には最高、要件によっては工夫が必要」というのが正直な実感です。

兼井 氏 (EBISUMART)

Shopifyは素晴らしいプラットフォームだと思っています。ECを始めるハードルを大きく下げて、市場そのものを広げた功績は本当に大きい。私たちが競合として意識しているかというと、実はそうではなくて、見ている領域が違うという感覚です。世界標準の仕組みでスピーディーに立ち上げるのがShopifyの強みなら、私たちは日本の商習慣や企業ごとの複雑な業務にどこまで寄り添えるかを追求してきました。ですからお客様には「どちらが優れているか」ではなく「あなたの事業にはどちらの思想が合うか」で選んでいただきたいんです。

EBISUMARTはどんな企業に合うのか ── 国産SaaSの強みと、正直「合わないケース」

―― EBISUMARTの最大の特徴はどこにあるのでしょうか。

兼井 氏 (EBISUMART)

一言で言えばカスタマイズができるSaaSです。従来のECシステムではカスタマイズするとバージョンアップできなくなるのが宿命でした。パッケージに手を入れた瞬間、そのシステムの時間が止まってしまう。私たちはそこを両立させたかったんです。 具体的には、毎週アップデートしていて、年間にすると約100件ですね。累計だともう1,700件を超えています。

ただ、数字だけ見ると小粒な修正の積み重ねかなと受け取られがちなんですが、中身はむしろ逆で。いまは「選択と集中」で、セキュリティやSEO・集客、決済といった“売上と安心に直結する領域”に開発を絞って投資しています。

たとえばセキュリティ関連は、2025年だけで過去最多の実装数でした。こうした更新が積み重なって、常に最新の状態に保たれていく。そんなイメージです。それらを支えているのが、「幹」と「枝」で考える設計思想です。共通の幹(システム本体)と、企業ごとに伸ばす枝(個別カスタマイズ)を明確に分けています。だから、幹を毎週育てても枝は折れない。むしろ幹が太く育つほど、その上の枝も一緒に強くなっていきます。

パッケージのように“途中で時間が止まる”のではなく、事業の成長に合わせて、幹も枝も伸ばし続けられる。私たちがつくりたかったのは、事業とともに育ち続けるECなんです。この仕組みを10年以上支え続けてきたことが、私たちの一番の資産だと思っています。

恩蔵 氏 (ルビー・グループ)

ベンダー視点で見ても、EBISUMARTさんの「SaaSなのにカスタマイズできる、かつ自動で最新機能にアップデートされる」という仕様は唯一無二ですよね。通常はパッケージをカスタマイズすると、その瞬間からシステムの時間が止まってしまう。数年後には古いシステムを抱えて、また数千万円かけてリプレイス──という悪循環を、私たちは何度も見てきました。その出口になり得る設計思想だと思います。

―― フィットするのは、どういった規模・業態の企業でしょうか。

兼井 氏 (EBISUMART)

ベストフィットは、年商3000万円規模から30億~50億円規模のBtoC向けECサイト、それからBtoB(企業間取引)向けのプラットフォームです。

BtoCであれば、のし・ギフト対応やお中元などで便利な複数配送先設定、独自の会員ランクや承認フロー、BtoBであれば掛け払いや請求書払いBTO(受注生産)機能、受注残、分納対応といった、日本のECならではの複雑な要件をお持ちの企業様ですね。

年商50億円を超えるような大規模トラフィックや一括処理が求められる場合は、「EBISUMART Enterprise」でご対応しており、年商1000万~3000万の事業者様はBtoC、BtoB共に「EBISUMART Lite」でご対応させていただいています。

それから、私たちはシステムの提供だけで終わらないことを大事にしています。契約の枠にとらわれない伴走型の人的サポートや、AIを活用した運用代行による売上向上(グロース支援)まで、全方位でカバーする体制を取っています。

―― 逆に、EBISUMARTをおすすめしないのはどんなケースですか。

兼井 氏 (EBISUMART)

正直に言うと、売上がまだ非常に少ない小規模ECサイトには、機能が過剰(トゥーマッチ)となることもあります。月額利用料が経営を圧迫してしまいますし、それは私たちも望むところではありません。標準機能のASPカートやShopifyで素早く立ち上げるほうが、コストもスピードも合理的なことは多い。事業が伸びて、業務が複雑になって、標準機能では窮屈になってきた──そのタイミングで思い出していただければ十分です。

もう一つ、実現不可能な超短納期での一括構築案件も、お受けしない方針です。無理をすればプロジェクトが炎上し、品質が落ちる。結局はお客様に損をさせてしまいます。どうしても納期が厳しい場合は、フェーズを分けてリリースするご提案をしています。合う企業様と、そうでない企業様は確実にある。それを最初に正直にお話しするのが、結局はお客様のためだと考えています。

元イーシーキューブ役員が語る、EBISUMART と EC-CUBE の違い

―― 恩蔵さんはもともとEC-CUBEを提供するイーシーキューブの執行役員で、グループ内移籍でルビー・グループに来られました。国産カートを内側から見てきたお立場として、EBISUMARTとEC-CUBEの違いはどこにあるとお感じですか。

恩蔵 氏 (ルビー・グループ)

両社は似ているようで思想がまったく違います。実はコレよく聞かれる質問で、色々例え方を変えてみて一番聞いた方がしっくりきたのが、住宅に例えることかな。違いは、EC-CUBEが「注文住宅」だとすれば、EBISUMARTは「リノベーション可能なマンション」です。EC-CUBEは、土地開発を終え強固な骨組みの基礎が完成している状態。EBISUMARTは内装以外が完成している状態など、ビルに例えることもありますね。

僕は、事業者やベンダーと寄り添う体制が深く浸透しているEBISUMART(インターファクトリー)さんのことが好きですよ。営業やマーケの方々と会っていても常にそれは感じます。EBISUMARTのことは兼井さんに深く語ってもらうとして、EC-CUBEのことを主に話すと、EC-CUBEは国内オープンソースの先駆者として、全国に開発対応できるSIerやエンジニア、コミュニティの層が非常に厚い。土地の造成から間取りまで、自由自在に設計・開発できます。「ECに色を」というメッセージと共に、「スクラッチより早く安価に、パッケージより自由とワクワクを」がOSSであるEC-CUBEのコンセプトでした。

ただ、私が中にいて一番の強みだと感じていたのは、実は技術そのものより、「それは出来ない」が、ないこと。そして、「それはできません」とならない事なんです。構築中に急な追加依頼が来ても応える体制があるし、長期にわたる構築フェーズでも最後まで付き合い続ける。決定事項に凝り固まらず、クライアントの要望に応えようとする精神が、営業からエンジニアまで組織全体に備わっている。この柔軟さは、他ではなかなか見られないものだと思います。

近年では社内の知見を集約した、大規模・高トラフィックに対応する「EC-CUBE ENTERPRISE」を大々的に展開し、昨今のニーズから業種・業務に特化した展開も進んでいて、オープンソースというだけでは括れない広がりが出てきています。もちろん注文住宅である以上、建てた後の管理──インフラの最新化やセキュリティ保守は、事業者様と開発ベンダー側で担い続ける必要があります。

一方のEBISUMARTは、建物全体の管理を提供側が担保した上で、部屋の中は自由にリノベーションできる。「自由と引き換えに責任を負う」のがEC-CUBE、「自由をある程度保ちながら、運用の安心を買う」のがEBISUMART。どちらが上ではなく、企業体質と展開サービスの違いなだけなのです。

兼井 氏 (EBISUMART)

元イーシーキューブの方にそう言っていただけるのは光栄ですね(笑)。おっしゃる通りで、私たちがSaaSにこだわっているのは、まさに「バージョンアップで止まるEC」を無くしたかったからです。カスタマイズしても週次の自動アップデートで最新が保たれる仕組みは、オープンソースの自由さと運用の安心を両立させたいという発想から生まれています。

カートコンシェルジュ・RUBYの選び分け ── 企業のフェーズと目的でカートはこう決まる

―― ルビー・グループでは、企業のフェーズや目的によって、カートをどう選び分けているのですか。

恩蔵 氏 (ルビー・グループ)

今期の重要戦略の1つですが、カート企業様とのアライアンスを推進しています。現在、私たちは20社近い国内外主要カートを扱っていて、今後も一緒に成長するお仲間を増やしていきたいと思っています。ただ、どれか一つに偏ることはありません。逆に全てのカートを担ぎます。あくまで中立公正的な立場から、企業様に合った「フェーズ」と「やりたいこと」に意識を集中させて選ばせていただいています。

大まかに言うと、①立ち上げ期でまず市場を試したい企業様には、初期投資を抑えられるASPカートやShopify。②事業が軌道に乗り、ブランド表現や独自機能で差別化したい成長期には、カスタマイズ性の高いプラットフォーム。③BtoB取引や複雑な業務フロー、基幹システム連携が必要な企業様には、EC-CUBEや、EBISUMARTのような国産SaaSが候補の筆頭になります。

重要なのは、カートに業務を合わせるのか、業務にカートを合わせるのか、どちらの方針で行くかを最初に決めることです。米国と日本の考え方の「違い」としてたまに語られることですが、そこが曖昧なまま機能比較を始めると、必ず迷子になります。

新規構築・リプレイスで失敗しないための「カート選びの5つの基準」

―― これからECサイトの新規構築・リプレイスを検討している企業に向けて、アドバイスをお願いします。

01

リプレイスは「ゴール」ではなく「手段」

恩蔵 氏 (ルビー・グループ)

「カートを変えれば売上が上がる」と思い込んでいる事業者様がとても多いのですが、これは誤解です。むしろ移行直後は、お客様の慣れや認知がリセットされることで、一時的に売上が下がることさえあります。カートはあくまでスタート地点、事業を行う「場」でしかない。重要なのは構築後にどう運用して、集客・認知・売上を伸ばしていくかです。

02

ベンダーに「丸投げ」しない

恩蔵 氏 (ルビー・グループ)

「ベンダーが自分たちのやりたいことを全部、魔法のように叶えてくれる」わけではありません。自社で何を実現したいのかという決定権と軸を持って、ベンダーと対等な立場で一緒に組み立てていく姿勢が不可欠です。

03

「機能の有無」だけで判断しない

兼井 氏 (EBISUMART)

機能の多さで選ばないこと、これに尽きます。そもそも機能の違いは、半年から1年もすれば他社も追いついてくることが多い。選定基準としての優先度は、実はそれほど高くないんです。それよりも「運用の伴走力」「サポート体制の手厚さ」、そして3〜5年後を見据えた保守・リプレイスのコストを重視してほしい。
おすすめしたいのは、自社の業務と「ECでやりたいこと」を先に全部書き出して、それが実現できるかを確かめる順番で選ぶことです。ECは作って終わりではなく、事業とともに変わり続けるもの。「変化に付いてこられるシステムか」という視点を、ぜひ判断基準に加えてほしいですね。

04

スケジュールは段階的に ── フェーズ分けリリースという選択肢

兼井 氏 (EBISUMART)

納期が厳しいからといって、一括で完璧なシステムを作ろうとすると炎上の原因になります。まずはサイトオープン(第1フェーズ)を優先して、運用しながら段階的に欲しい機能を載せていく。場合によっては、つなぎのカートを一時的に挟むという判断もあり得ます。柔軟な計画を立てることをおすすめします。

05

「人」との相性を軽視しない

兼井 氏 (EBISUMART)

意外と語られませんが、実際の構築や運用において、カート側・ベンダー側の営業担当者やサポートチームが、どこまで自社のビジネスに真剣に向き合ってくれるか。これがプロジェクト成功の隠れた鍵になります。

それからリプレイスの場合は特に、システムの乗り換えだけでなく「運用の乗り換え」であることを忘れないでほしいです。商品データや会員データの移行、URL変更に伴うSEOへの影響、現場スタッフのオペレーション変更──ここでつまずく企業様が本当に多い。新しいカートで何ができるかと同じくらい、「移行期に何が起きるか」を事前に洗い出すことが大切です。

そして、現行カートへの不満の裏返しだけで次を選ばないこと。「次のサイトで何を実現したいか」から逆算すれば、選ぶべきカートは自然と絞れてきます。迷ったら、私たちのように複数のカートを扱う立場の人間に、壁打ち相手として相談していただくのも一つの手です。

システムのプロ × 運用のプロ。「EBISUMART × RUBY」だから提供できる価値

―― 両社がパートナーとして組むことで、クライアントにはどのようなシナジーを提供できるのでしょうか。

兼井 氏 (EBISUMART)

私たちはECサイトのシステム開発から、構築後のシステム運用、日々のテクニカルなサポートまでを、すべて自社で責任を持って対応しています。ただ、ECビジネスを成功させるためには、システムが動くだけでは不十分なんです。商品の魅力を伝えるための業務や、日々の細やかなマーケティング施策の実行、UXの改善なども必要になる。そこを担ってくださるRUBYさんと組むことで、システムと運用の両輪でお客様の事業を支えられる。ここが最大のシナジーだと思います。

恩蔵 氏 (ルビー・グループ)

おっしゃる通りで、どれだけ強固なシステム基盤があっても、サイト上の表現力や施策の実行力が伴わなければ売上は伸びません。

今期の重要戦略ですが、私たちは20社近い多種多様なカートと戦略的アライアンスを締結し、その知見をもとに中立的な視点でのコンサルティングから伴走支援までを提供できはじめました。

特にEBISUMARTさんは「SaaSでありながら柔軟にカスタマイズでき、常に最新にアップデートされる」という強力なシステム基盤を持っています。だからこそ、私たちRUBYの強みである商品撮影、デザイン、デジタルマーケティング、CSといった「現場の運用力・グロース支援」が最も活きるんです。システム側の制約に縛られず、事業者の「やりたい施策」をスピーディーに画面や運用に落とし込めますからね。

私たちは多くのカートを扱っていますが、複雑な業務要件を持つ中〜大規模ECにおいて、EBISUMARTさんと組む安心感は格別です。サイト構築前の要件定義から、構築後の運用・売上拡大(グロース)までを一気通貫で伴走できる。「システムの不調や拡張性に悩まされず、売上を作る運用に100%集中できる環境」を提供できることこそが、このタッグ最大の価値だと確信しています。

まとめ

カート選びに唯一の正解はない──今回の対談で両者の見解が一致したのは、この一点でした。 Shopifyにはスピードと手軽さ、堅牢なインフラという明確な良さがあり、EC-CUBEには土台から作り込める自由と厚いコミュニティがある。そしてEBISUMARTには、日本の商習慣への適合力と「カスタマイズできるSaaS」という独自の強みがあります。
大切なのは優劣を比べることではなく、自社のフェーズとやりたいことを起点に「合うカート」を見極めること。そして、カート移行はゴールではなくスタートであり、その後の運用こそが売上をつくるという前提に立つことです。新規構築やリプレイスを検討中で、自社に合う選択肢を整理したい方は、ぜひ下記よりお気軽にご相談ください。

【おまけ】白熱した!?二人の“レイバン”談義

真面目な対談を終えた直後、盛り上がりを見せたのはこの話題でした。

恩蔵 氏

恩蔵氏

……ところで兼井さん、我々年代も同じで偶然にもRay-Banフリークじゃないですか。今のそれ、今日僕が付けているのと全く同じモデル・・かも?
お、気づきました?はい、ウェイファーラーです。偶然すぎますね(笑) やっぱりレイバンはこれに戻ってくるんですよ
兼井 氏

兼井氏

恩蔵 氏

恩蔵氏

わかります。私も何本か試して、アビエーターにもしっかりいって、結局コレに戻ってきました。
あの”変わらなさ”がいいんですよね
それ、EBISUMARTの話でしたっけ?(笑)
兼井 氏

兼井氏

恩蔵 氏

恩蔵氏

いや、レイバンです(笑)。でも言われてみれば通じるものはあるかも。
定番って、飽きられそうで飽きられない
流行を追いすぎず、でも古びない。ちょいちょいスパイスも足して鮮度を落とさせない。長く付き合えるものが結局いちばん強い、と
兼井 氏

兼井氏

恩蔵 氏

恩蔵氏

……それ、そのまま記事のまとめに使えますね
カートも、サングラスも、”自分に似合う定番”を見つけた人が勝ち、ということで。
兼井 氏

兼井氏