2023.6.18

2023.10.11

#プラットフォーム

ECカートシステムをシーン別に比較!種類や機能など解説!

ECサイト構築する上で欠かせないカートシステムですが、数多くの種類があり、機能や特徴、料金などもそれぞれのカートシステムによって変わってきます。
本記事では、シーン別におすすめしているECカートシステムの機能や費用などについて詳しく解説していきます。これからECサイトを構築する方や、課題がありECカートを乗り換え予定の方、ECサイトをリニューアル予定の方など、参考にしてみて下さい。

ECカートシステムとは?

「ECカートシステム」とは、オンラインショッピングサイトで使用される、商品の選択から決済までを管理するシステムのことを指します。ECは「Electronic Commerce」の略で、電子商取引を意味します。

ECカートシステムの機能

ECカートシステムは、オンラインショッピングの機能を提供するソフトウェアやシステムです。

商品管理:商品の詳細情報(商品名、価格、画像、説明等)を表示し、更新することができます。
一部のシステムでは、在庫管理も統合している場合があります。

ショッピングカート機能:顧客が商品を選択し、「カート」に追加する機能です。顧客は複数の商品をカートに追加し、一度に購入することが可能です。

チェックアウトと決済:ショッピングカートの商品の合計金額を計算し、顧客に提示します。その後、顧客は支払い方法(クレジットカード、代金引換払い、ID決済など)を選択し、決済を行うことができます。

注文管理と追跡:注文情報はデータベースに保存され、お客様が注文状況を確認できます。
また、事業者が注文の履歴を管理し、注文の状況を更新することも可能です。

配送管理:お客様の指定したお届け先情報を管理し、商品の配送状況を追跡する機能。
配送オプションの提供、送料の計算なども範囲に含まれます。

マーケティングとプロモーション機能:一部のECカートシステムでは、特別オファーや割引コードの管理、メールマーケティングなど、 マーケティングやプロモーションのための機能も提供しています。

以上のような機能を通じて、ECカートシステムはオンラインショッピングを効率的かつスムーズに行うことを支援します。 ただし、具体的な機能は使用するシステムによって異なるため、 導入時にはそれぞれのビジネスニーズに適したシステムを選択することが重要です。

ECカートシステムを導入するメリット

ECカートシステムを導入すると、事業者も顧客も多くのメリットを体現できます。

効率性と自動化:ECカートシステムは注文プロセスを自動化し、時間と労力を節約します。
商品の管理、注文の追跡、決済、在庫管理などを一括して行うことができます。

24時間稼働:オンラインショップは24時間稼働しているため、地理的・時間的な制約を受けずに販売活動を行うことが可能です。24時間稼働により、販売機会を大幅に増やすことができます。

顧客体験の向上:使いやすいECカートシステムは、顧客のショッピング体験を向上させます。商品の検索、選択、決済がスムーズに行えるため、顧客満足度が向上し、リピート購入や口コミにつながります。

データ収集と分析:ECカートシステムは販売データや顧客行動データを収集し分析することで、販売戦略の見直しやマーケティング活動に活用することが可能です。有効なマーケティングにより、ビジネスの成長と改善に役立つインサイトを得ることができます。

マーケティングとプロモーションの機会:特別オファーや割引コードを簡単に提供でき、顧客ロイヤルティを向上させることができます。また、メールマーケティングなどを統合することで、新商品の告知やセールのお知らせなどを効果的に行うことができます。

コスト削減:物理的な店舗を持つ場合に比べて、オンラインショップの運営はコストを大幅に削減できます。 また、システムが注文プロセスを自動化するため、人件費も節約できます。

ECカートシステムの種類と特徴

ECカートシステムには、フルスクラッチ型、パッケージ型、オープンソース型、ASP型の4つの種類に分類されます。それぞれ詳しく解説していきます。


フルスクラッチ型

フルスクラッチ型のECカートシステムとは、ソフトウェアの開発を一から(ゼロから)行うタイプのシステムを指します。企業が自身の特定のニーズに合わせて、独自のオンラインショッピングカートシステムを開発する場合に使用されます。

フルスクラッチ型のシステムの最大の利点は、高いカスタマイズ性です。企業は自分たちの特定の要求や目的に合わせてシステムをデザインし、開発することができます。自社のビジネスモデルや特殊なニーズに完全に合致したユニークなシステムを作り出すことも可能です。自由自在なカスタマイズにより、競争優位性を得ることができます。

しかし、フルスクラッチ開発は専門的な技術知識と時間を必要とし、初期開発コストと維持・更新のためのコストが高くなる可能性があります。フルスクラッチ型のECカートシステムは、特定のビジネス要件を満たすために、既存のソリューションでカバーできない場合や、 特定の競争優位性を確立したい場合に適しています。


パッケージ型

パッケージ型のECカートシステムは、あらかじめ一連の機能がパッケージとしてまとめられ、事業者がそのまま利用できる形で提供されるソフトウェアの一種です。オンラインショッピングのための基本的な機能、 例えば商品管理、カート機能、決済機能、配送情報の管理、注文管理などが組み込まれています。

パッケージ型のシステムは、あらかじめ設計・構築されたソフトウェアを使用するので、技術的な知識が少ない場合でも簡単に導入することが可能です。導入後の運用も直感的で、初心者でも扱いやすいものが多いです。一般的に、パッケージ型のソフトウェアはフルスクラッチ型のソフトウェアに比べて、導入費用や運用費用が低く抑えられます。手軽さと低コストで導入できることから、パッケージ型のECカートシステムは、 特に中小企業や初めてECサイトを立ち上げる企業に選ばれることが多いです。

ただし、企業の成長やニーズの変化により、より高度なカスタマイズや機能が必要となる場合もあるため、その際はシステムの選択を再考する必要があります。



オープンソース型

オープンソース型のECカートシステムは、ソースコードが公開されていて自由に利用、変更することが可能なタイプのシステムです。

オープンソース型は多くの場合、無料で利用することが可能で、自分たちのニーズに合わせてカスタマイズすることができます。システムはソースコードが公開されているため、高度なカスタマイズが可能です。
自社のビジネスニーズに完全に合わせた形でシステムを変更することができます。

多くのオープンソースソフトウェアは無料で利用できますが、カスタマイズや運用するためには専門的な知識や技術が必要であり、そのための人的コストがかかることを考慮する必要があります。



ASP型

ASP型(Application Service Provider型)またはSaaS型(Software as a Service型)のECカートシステムは、インターネットを通じて提供されるソフトウェアの一種で、ユーザーはサーバーにソフトウェアをインストールすることなく、必要な機能を使用することができます。

ASP型のサービスは、サブスクリプションベース(定額制)で提供されることが多く、保守やアップデートは提供側が行います。 インターネット経由でソフトウェアを利用するため、インストールや設定が簡単で、技術的な知識が少ないユーザーでも扱いやすいです。

事業者は初期導入費用や運用コストを大幅に抑えることができます。ソフトウェアのアップデートや保守は提供側が行うためコストも発生しません。ASP型のECカートシステムは、特に中小企業や初めてECサイトを立ち上げる企業にとって、手軽さと低コストで導入できる利点から選ばれることが多いです。

ただし、企業の成長やニーズの変化により、より高度なカスタマイズや機能が必要となる場合もあるため、その際はシステムの選択を再考する必要があります。

ECカートシステム選定のポイント

ECカートシステムを選定する際には、以下のようなポイントを考慮すると良いでしょう。

ビジネスニーズの理解:自分のビジネスに何が必要かを理解することが重要です。どのような商品やサービスを販売するのか、どのような顧客をターゲットにするのか、どのような機能が必要なのかなど、自分のビジネスニーズを明確に理解することから始めます。

機能と拡張性:ECカートシステムには、商品管理、在庫管理、決済処理、顧客管理、レビューと評価、割引とプロモーション管理などの基本的な機能が必要です。さらに、ビジネスが成長するにつれて追加の機能が必要になるかもしれません。そのため、システムが拡張性を持つことも重要な選定ポイントとなります。

費用:ECカートシステムには、初期設定費用、月額使用料、インフラ費用など、様々な費用がかかります。予算内で最もコストパフォーマンスの良いシステムを選ぶことが重要です。

カスタマイズ性:ビジネスのニーズに合わせてシステムをカスタマイズできるかどうかも重要です。
特定のビジネスニーズを満たすためには、システムのカスタマイズが必要な場合もあります。

使いやすさ:システムは使いやすいものでなければなりません。 ユーザーインターフェースが直感的であること、スタッフがシステムを簡単に操作できること、必要な機能を簡単に見つけることができることなど、使いやすさは非常に重要な要素です。

サポートと保守:サポートサービスが提供されているかどうかも確認することが重要です。問題が発生した際に、サポートチームが迅速に対応してくれるかどうかは、ビジネスの運営に大きな影響を与えます。
また、システムの保守やアップデートが定期的に行われ、システムの安定性とセキュリティが確保されていることも重要です。これらの要素を考慮しながら、自分のビジネスに最適なECカートシステムを選ぶことが重要です。

手軽に利用が出来るECカートシステム

BASE(ベイス)

BASE(ベイス)は、ショップ開設数180万件以上のネットショップ作成しており、誰でも簡単に自分のオンラインショップを開設できるサービスです。主に個人や中小企業が対象で、商品の販売から決済、発送までの一連の流れをシステムがサポートします。クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、キャリア決済など、多様な決済方法を選択することができます。あらかじめ用意されたデザインテンプレートを選ぶだけでなく、HTMLやCSSを用いて自由にデザインをカスタマイズすることも可能です。


 

・初期費用:無料
・月額費用:基本プランは無料。
一部有料の追加機能(例:オリジナルドメインの使用)があります。

Shopify(ショッピファイ)

Shopify(ショッピファイ)はカナダ発のECプラットフォームサービスで、世界175ヶ国以上で利用されており、世界でのショップ開設店舗数は100万を突破しています。
ユーザーは手軽に自分のオンラインショップを簡単に開設・運営することができます。世界的に広く利用されており、多機能性と拡張性の高さが特徴です。受注の管理、顧客情報の管理、顧客に対するメールマーケティングなどができます。クレジットカード、PayPal、Apple Payなど、様々な決済方法が利用可能です。 あらかじめ用意されたテンプレートを使用するか、HTMLとCSSを使用して自分でデザインをカスタマイズすることができます。 SEO対策、SNS連携、メールマーケティングなど、様々なマーケティングツールが提供されます。Shopifyのアプリストアから追加機能をダウンロードして、ショップをカスタマイズできます。


 

・初期費用:無料
・月額費用:$33/月(約4,600円/月)※ベーシックプランの場合

カラーミーショップ

カラーミーショップは、株式会社 GMOペパボが提供している、ECサイト作成・運営支援サースの一つです。日本国内の中小企業や個人事業主を対象としており、オンラインショップを手軽に開設・運営することが可能です。難しいプログラミング知識は不要で、誰でも簡単にショップを開設・運営することが可能です。200種類以上のデザインテンプレートが用意されており、HTMLやCSSを利用して自由にカスタマイズすることも可能です。 ショップ運営に関する質問や困りごとに対応する、24時間365日のカスタマーサポートが提供されています。



初期費用:3,300円
月額費用:4,950円/月 ※レギュラープランの場合

MakeShop(メイクショップ)

MakeShop(メイクショップ)は、株式会社GMOメイクショップが提供するECプラットフォームです。
多機能でありながら使いやすさを重視して設計されており、大企業から中小企業、個人事業主まで幅広い層のユーザーに利用されています。商品の登録・管理、在庫管理、注文管理、顧客管理など、ECサイト運営に必要な基本機能を一通り備えています。SSL通信の標準装備やセキュリティ対策が施されており、安心して運用することが可能です。万が一のトラブルや困ったことがあった場合には、専門のサポートスタッフが対応してくれます。



初期費用:50,000円
月額費用:25,000円/月 ※スタンダードプランの場合

実店舗と連携が出来るECカートシステム

STORES(ストアーズ)

STORES(ストアーズ)は、STORES株式会社が提供している、無料ではじめられるネットショップになります。初心者の方でも簡単に利用でき、お店のキャッシュレス化、POSレジ、予約システムの導入、店舗アプリ作成など、様々な機能が充実しているサービスです。 実店舗と連携しており、商品登録や在庫管理など一括で行う事が可能で、移動販売やポップアップなど持ち運んで決済できます。



初期費用:無料
月額費用:無料 ※プランによって有料の場合あり

Shopserve(ショップサーブ)

Shopserve(ショップサーブ)は、株式会社Eストアーが提供しているネットショップ構築サービスです。
デザインテンプレートが157種類、商品画像は10パターン用意されており、初心者の方でも簡単にECサイトを構築する事が出来ます。メルマガ配信も可能で100種類以上のテンプレートから選択でき、予約配信やセグメント分けで配信可能です。商品管理、在庫管理、注文管理など、オンラインショップ運営に必要な機能が豊富に用意されています。また、デザインテンプレートも豊富で、専門的な知識がなくても自分好みのデザインにカスタマイズできます。さらに、SEO対策機能やマーケティング支援ツール、多言語対応など、成長するECサイトに必要な機能も充実しています。



初期費用:15,000円
月額費用:11,400円/月 ※パブリックプランの場合

futureshop(フューチャーショップ)

futureshop(フューチャーショップ)は、SaaS型ECサイト構築プラットフォームになります。
デザインカスタムやCSSによるデザインも可能です。決済手続きにもデザインカスタムが出来ます。
株式会社バニッシュ・スタンダードが提供する「STAFF START」の連携オプションもあり、スタッフのコーディネート撮影からアイテム情報ひも付け、投稿まで専用アプリで一連の業務が可能になります。
また、ECサイトで注文した商品を店舗で受け取る機能などもございます。



初期費用:22,000円
月額費用:29,000円~/月 ※小規模・中規模ショップの場合

自由にカスタマイズが出来るECカートシステム

EC-CUBE(イーシーキューブ)

EC-CUBEは、オープンソースのショッピングカートシステムです。日本国内で広く使われていて、オンラインショップの構築と運営に必要な機能を含んでいます。商品管理、注文管理、顧客管理、コンテンツ管理、決済機能など、ECサイト運営に必要な基本的な機能を備えています。
また、プラグインにより機能を拡張することが可能で、各企業のビジネスニーズに合わせてカスタマイズできます。EC-CUBEのソースコードは無料で提供されており、自身でホスティングを行い、ショップを設定・運営することが可能です。ショッピングサイトを自由に設計したい企業や、特定の機能を持つオンラインショップを作りたい開発者にとって有益です。
しかし、無料で提供されているとはいえ、EC-CUBEを導入・運用する際には、サーバーやドメインの費用、初期設定やカスタマイズ、メンテナンスのための技術者の費用、そして追加のプラグインなどの費用が必要になることがあります。



初期費用:無料
月額費用:無料 ※クラウド版は有料

リピート向けのECカートシステム

楽楽リピート

「楽楽リピート」は、オプトホールディングスが提供する定期購入システムの一つで、ECサイトなどに定期購入機能を追加することが可能です。これにより、商品の定期購入を希望する顧客に対して、手間を省きつつ定期的に商品を提供することができます。顧客は購入間隔や配送日、次回購入日などを自由に設定することが可能で、いつでも定期購入の変更、休止、再開を行うことができます。ショップ側には管理画面が提供され、定期購入の全体像を把握したり、詳細な設定を行ったりすることができ機能が充実してます。



初期費用:68,000円
月額費用:49,800円/月 ※ライトプランの場合

ecforce(イーシーフォース)

ecforce(イーシーフォース)は、株式会社SUPER STUDIOが提供するASP型のECプラットフォームです。
購買のデータはもちろん、個性を表すパーソナライズを顧客データと紐づけし一元管理ができ、紐づけしたデータを元により精度の高いマーケティング戦略の実現が可能となります。また離脱防止ポップアップ、アクションオファー機能、セット販売機能などCVR向上のための機能が充実しているのが特徴です。



初期費用:148,000円
月額費用:49,800円/月 ※スタンダードプランの場合

W2 Repeat(旧「リピートPLUS」)

W2 Repeat(旧「リピートPLUS」)は、w2ソリューションが提供しているリピート通販事業を成功へ導くことに特化したシステムです。リピート通販に特化した機能が900以上搭載されています。フォーム一体型LPといった、商品ページと入力フォームを一体化させることで、 顧客の離脱防止になる機能もございます。また、メルマガ配信も充実しており、セグメント分類、SNS配信、LINE配信、ステップメールなど、 様々な機能が利用できます。



初期費用:9,800円
月額費用:9,800円/月 ※ONEプランの場合

まとめ

いかがでしたか?本記事では、ECカートシステムをシーン別に比較し、種類や機能など解説しました。ECカートシステムも種類があり、たくさんのカートが提供されています。それぞれのカートで機能や特徴、費用なども変わってくるので、自身のECサイトにあったカートを選ぶと良いです。
小規模なサイトであればある程度、自身で構築できる部分もございますが、中規模や大規模サイトであれば拡張機能などカスタマイズする事がありますので、プロに頼るのが良いかと思います。

ルビー・グループでは、ECサイトの構築から運用まで一気通貫で行ってますので、ECサイト周りのサービスは何でも対応可能になります。お困りの際はぜひご相談下さい。

この記事を書いた人

篠原 星営業部 部長

新卒で大手アパレルメーカーへ勤務。店頭販売から百貨店営業、リテール渉外、海外(中国販路)ビジネス、MDを経験しEC業界へ。 ファッションECにてMD業務とバイイング、ベンダーポータル改修のPMなどを経験。2019年11月よりルビー・グループ株式会社へ参画。 ECコンサルティングを中心に、ブランド全体の継続的な成長をイメージしたご提案を実践している。 トレンドのソリューション提案に自信あり。大手アパレルメーカーのMD歴が長く、アパレル業界の川上から川下までのビジネスを知り尽くしていることが強み。